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ヘタリア大帝国
TURN132 一騎打ちその三
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「それでは」
「わかった、じゃあ頼むな」
「それでは」
 セーラは撤退するエイリス軍を指揮しそしてだった。
 自らもオフランスから退いた、エイリス軍は敗れはしたがそれでもだった。
 見事な戦いを見せた、それで山下も戦いが終わった後の大和の中で言うのだった。
「敵ながら見事だったな」
「ああ、本当にな」
 東郷も山下の言葉に応える。
「俺も見ていて思った」
「セーラ=ブリテン女王、見事な武人だ」
「女王自らが騎士か」
「流石だ」
 山下はそこにエイリスの誇りを見ていた、それで言うのだ。
「長きに渡って世界の盟主を務めているだけはある」
「そうだな、しかしだ」
「それはあくまで王室と軍だけか」
「貴族はな」
「私もそれはわかっている」
 山下はここで顔を顰めさせて述べた。
「植民地での貴族共はな」
「利古里ちゃんも大変だったな」
「うむ、不逞貴族共を片っ端から捕まえていった」
 その不正や汚職を糾弾してだ。
「斬りはしなかったがな」
「何度も斬ろうと思ったな」
「そのことは否定しない」
「やっぱりそうか」
「不逞の輩は許せぬ」 
 正義感の強い山下らしい言葉だった。
「だから堪えるのに苦労した」
「ああ、見ていてわかった」
「しかしだ、何とか堪えてだ」
 その腐敗した貴族達を捕まえていくだけに留めていたというのだ。
 それでだ、その時のことを思い出して言うのだった。
「全体としてエイリスはだ」
「腐敗が酷いか」
「貴族達を何とかしなければだ」
 それでだというのだ。
「腐敗してそしてだ」
「崩壊してしまうな」
「もう世界の盟主であるべきではない」
「貴族の腐敗故にか」
「そうだ、もう世界の盟主というものもな」
「そうしたものがいる時代でもないか」
「そうした時代は終わるだろうな」
 東郷は先、時代の先を見る目で述べた。
「一つの国が導くのではなく」
「全ての国でか」
「そうだ、とはいっても船頭は必要だがな」
 ただ誰もが平等なだけでは何も動かないのも世の摂理だ、それでこうした存在は必要だというのである。
 しかしそれでもだ、そのリーダーがだというのだ。
「ああした特権階級のみが肥え太る国家ではな」
「盟主は務まらないな」
「もうな」
 実際にそうだというのだ。
「俺はそう見る」
「そうだろうな、私もそう思う」
「ではだ」
 ここまで話してだ、そしてだった。
 東郷は戦後処理を終えてパリに向かった、そのうえでパリに入城したのだった。
 そのパリに戻りだ、シャルロットは恍惚とした顔で述べた。
「パリ、戻って来られたのね」
「やっぱり嬉しいだね」
「はい、とても」
 傍らにいるビルメにも答える。
「こんな嬉しいことはありません」
「よか
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