TURN132 一騎打ちその二
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「神技の域までは」
「至らないな」
「全くです、しかし」
「斬り合いが百合に達した」
だがまだ勝敗は決していなかった、二人の攻防は続いている。
二人共共に舞うが如く華麗な剣技で闘っている、華麗でいてかつ激しい。
その二つが共にある闘いは何時終わるともなく続く、日本軍もエイリス軍も言葉もなく沈黙して見ていた。
やがて斬り合いが二百合を超えて三百合になった、しかし勝負はまだ続く。
そのまま何時までも続くかと思われた、だが。
ここでだ、エイリス軍の兵士の一人が駆け込んで来てこう言ってきたのだった。
「オフランス軍が降伏しました!」
「何っ、オフランス軍が!?」
「後方にいる彼等が!」
「隕石は終わりましたが」
その降り注ぎが終わったというのだ、だが。
「今現在の膠着状態を見て劣勢と誤認したのか」
「それで、なのか」
「彼等は」
「はい、降伏しました」
そうなったというのだ。
「そして撤退しました」
「馬鹿な、それでは後ろがないぞ」
「むしろ降伏したオフランス軍が枢軸軍に寝返る危険もあるぞ」
「そうなれば我等は挟み撃ちだ」
「ここで全滅するぞ」
「くっ、こうなっては」
ここでだ、その場にいた参謀の一人が忌々しげに言った、その言った言葉はというと。
「撤退しかない」
「では今は」
「オフランスから」
「そうだ、陛下」
参謀は山下との一騎打ちを続けるセーラにも言った。
「ここは無念ですが」
「話は聞いています」
山下に神経を集中させているがそれでも耳はある、それで聞いていたのだ。
「ですから」
「それならば」
「全軍撤退です」
セーラも決断が早い、自軍にとっても自身にとっても苦い決断だが躊躇せずに答えた。
そしてだ、後ろに素早く跳び退いて間合いを離してから山下に言った。
「山下長官、申し訳ありませんが」
「はい、後日再び勝負ということで」
「それでお願いします」
「何時でも待っています」
山下は毅然とした態度でセーラに応えた。
「では」
「またお会いしましょう」
二人は一礼し合い別れた、セーラは山下達の前から姿を消して大和を後にした。クイーン=エリザベスはその大和から離れ。
全てのエイリス軍にだ、こう告げたのだった。
「全軍ロンドンまで撤退します、戦死者の亡骸、負傷者の回収を行いそして」
「そのうえで、ですね」
「そうです、撤退します」
こうイギリス妹にも告げる。
「わかりましたね」
「それでは」
イギリス妹も応える、そしてだった。
エイリス軍は速やかに接舷戦を終えてそれぞれ撤退する、後詰はセーラ自らが務める。
そのセーラにだ、イギリスがモニターから言ってきた。
「いいんだな、女王さん自ら後詰で」
「はい、構いませ
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