TURN132 一騎打ちその一
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TURN132 一騎打ち
枢軸軍とエイリス軍は接舷戦に入っていた、多くの艦艇で艦内において激しい接近戦がはじまっていた。
それは平良も同じだ、彼も刀を抜き自ら戦っていた。
エリイスの将兵達を斬りながらだ、こう言うのだった。
「敵ながら見事だな」
「はい、まさかこうして斬り込んでくるとは」
「しかも皆中々の手練ですね」
「騎士だな」
平良は自らが率いる部下達に言った。
「まさに」
「エイリス軍はですか」
「今も騎士ですか」
「紛れもなくな」
それだというのだ。
「騎士だ」
「では武士と騎士の戦いですね」
「今はな」
こう部下たちに話すのだった。
「そしてだからこそだ」
「この戦い、負けられないですね」
「正面から戦い、ですね」
「勝たねばなりませんね」
「いつも言っているが卑怯未練な行いはするな」
無論卑劣もだ、平良の言葉は厳しい。
「若しする者がいたなら私が斬る」
「はい、決して」
「その様なことは」
「では行くぞ」
鋭い目で正面を見据えて部下達に告げる。
「絶対にだ」
「はい、勝ちましょう」
「騎士達に」
部下達も応える、彼等もまた正々堂々と戦っていた。
山下達は大和の艦内でセーラを見た、セーラは胸を張り毅然とした態度で刀を抜く山下の前に来た。
そのうえでだ、強い声でこう名乗ったのだった。
「エイリス帝国女王セーラ=ブリテンです」
「日本帝国陸軍長官山下利古里です」
山下もセーラに答える。
「以後お見知りおきを」
「山下元帥ですね、お名前は聞いています」
セーラはその山下に言う。
「日本帝国の真の武士だと」
「いえ、私はその様な」
「噂だけではありません」
セーラは謙遜する山下にさらに言う。
「その目を見ると」
「私の目ですか」
「貴女の目は強く澄み渡り輝いています」
まさにその通りだった、山下の目の光は強くしかも澄んでいる、その目こそがだった。
「誠を胸に抱き戦う者の目です」
「それが武士の目ですか」
「そうです、見事なまでの」
「有り難きお言葉、では」
「jはい、それでは」
「お手合せ願います」
山下の方からセーラに申し出た。
「今から」
「私もその為に来ました」
セーラも応える、そしてだった。
二人はまずはお互いに一礼した、せーらは剣を己の顔の前に寄せ山下は頭を下げる、そうしてであった。
互いに間合いに入り斬り合う、忽ちのうちに銀と銀の火花が打ち合う剣と刀から出る。騎士と武士の剣が交差する。
斬り合いは十合二十合となりすぐに五十合を超えた、だがどちらも一歩も引かない。
その見事な一騎打ちを見てだ、秋山は感嘆して言った。
「素晴らしいですね、山下長官も
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