暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
第六十ニ話
[8/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
 耳元では慌てふためいたレコンが、恐らく防御用の魔法の詠唱を噛んでいるが、まずは落ち着いて火炎放射を眺めよう。図らずもこの戦闘は、俺の戦い方や道具や技術がALOでも通用するか、といったテストに相応しいこととなっていたが……せっかくだから最後までテストに使わせてもらう。

 まだ試していないことは斬り払い。俺がアインクラッドを生き抜く上で、地味ながらも《縮地》よりも多用した技術。……刀身の弾丸は魔法の火炎弾を打ち消したが、斬り払いはどうなのか……!

「せやッ!」

 気合い一閃。新生《銀ノ月》は、火炎放射の第一波を切り裂くことに成功する。その理由はショウキには知り得ないことであるが……

 このALOでは魔法属性を持つ技は、同じ魔法属性を持つ技で打ち消すことが可能である。代わりに、物理属性である筈のただの武器では斬れない筈だが……新生《銀ノ月》には魔法属性しか効かない敵への対策として、少量ながら魔法属性が入っている。持ち主であるショウキも、魔法属性が入っていることは承知しているものの……それが特異なこととは、認識していない。

 そして魔法の『当たり判定』がある中心部に直撃させることにより、その魔法を斬り払うことが可能となる。高速で移動して炸裂する魔法の中心部を狙って斬る、ということは言うまでもなく困難だが……ショウキは第一波の火炎放射を斬り払い、『出来る』と確信する。

 ――唯一の誤算は、火炎放射の数が多すぎてとても斬り払える数ではなかったことか。

「あつっ!」

 第一波の火炎放射は斬り払うことに成功したものの、続く第二波が早くも飛来したことにより、斬り払う暇もなく火炎放射がコートをかすめる。

「ショウキさん、どいて! ……シールド!」

 一回噛んでやり直したレコンの魔法の詠唱が終わり、ショウキと場所を入れ替えて風のシールドを張る。火炎放射の連打を防げるほどのシールドではなかったが、シールドが耐えている間に、レコンとショウキは火炎放射が降ってこない安全圏まで避難する。

「逃がすか!」

 しかし、火炎放射を連射しているサラマンダーに発見されてしまい、火炎放射の照準を変更されてしまう……が。

「食らいなさいっ!」

 唯一火炎放射の連射に巻きこれていなかったリズは、迂回してサラマンダーの上空へと回り込んでおり……メイスの一撃がサラマンダーに炸裂する。

「畜生……!」

 どのようにかは知らないが、HPすら犠牲にしながら火炎放射を乱射していた影響で、サラマンダーのHPはもう残り少なく。リズのメイスの一撃により墜落していき、大地に着くとともにHPは全損することだろう。

 いつまでも翼を展開していると時間制限に引っかかってしまうため、三人で近くの止まり木へと着地する。辺りを見渡し
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ