第六十ニ話
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たという軽装のシルフが、馴れ馴れしげにレコンへと挨拶をする。対するレコンは苦々しい顔をしながら何も言わなかったが、言外に『何故バレたのか』と言っていた。
「リーファに介入されると厄介なんで、腰巾着のお前にもサーチャー付けといたが……こんなとこまでご苦労なこった!」
レコンの後ろから緑色の鳥が飛来し、軽装シルフの肩に乗って消えていく。恐らくあの鳥はシルフ用のサーチャーであり、いつからは分からないが、最初からレコンは見張られていたらしい……!
最初から見張られていれば《ホロウ・ボディ》も意味をなさないし、レコンもサラマンダーではなくパーティーメンバーにサーチャーをつけられているとは、予測していなかった筈だ。
ならばこの場所は、計画が終わるまで邪魔者を置いておく為の場所。他のサラマンダーたちは、ゆっくりと俺たちを取り囲む位置へと移動して来ており、どうやら俺たちをここから逃がす気ではないらしい事からも、恐らくその予想は間違っていない。
「俺たちの仲間になって、リーファも引き込んでくれれば、見逃してやらんでもないが……?」
そう言いながら自分の得物であるのだろう、スリングショットとも呼ばれるパチンコを実体化させ、レコンに条件を出しながら近づいてくる。近づくとは言っても、レコンの短剣に攻撃されるより早く、スリングショットで攻撃出来る位置は確保していたが。
「リーファちゃんが目的なら……絶対に御免だ!」
サラマンダーが3人とシルフ1人が俺たちが逃げられないように周囲を取り囲んでいる、という状況であるにもかかわらず、レコンは強気に啖呵をきってみせる。そんなレコンの返答に、スリングショットを持ったシルフは芝居がかった態度でため息を吐いた後、まだまだレコンへの説得を続行した。
「もしかして、死んだら領主館に戻れば良い……なんて考えてないよな?」
そう言いながらシルフはポケットから矢を取り出し、レコンに自慢げに見せてみせる。その矢は素人目の俺から見ても、通常の矢とは違う異質な矢であり、レコンが反応したところを見ると恐らく……毒矢。
アインクラッドでも良く見られた手段の一つで、麻痺毒で行動不能にさせた後、誰かが見張って継続的に麻痺させることで、プレイヤーを行動不能にさせるという手口。どうやら何処だろうと、考えることは同じらしい。
やはり芝居がかった態度を取りながら、その毒矢をスリングショットへと装填する振りをしつつ、そのシルフはレコンに対してニヤリと笑った。
「リーファ以外の仲間を連れてるとは予想外だったが……お仲間ごと、ちょっと眠ってもらおガハッ!?」
――台詞を最後まで言い終わることもなく、芝居がかったシルフはスリングショットを取り落としながら近くの木に当たるまで、猛烈な勢いで
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