第六十ニ話
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たものの、何とかレコンについて行くことに成功する。
サーチャーこと空飛ぶトカゲと目があった時には肝が冷えたが、レコンの《ホロウ・ボディ》は伊達ではないらしく、平気でそのまますり抜けていき――木々が開けた場所に出る。
……木々が一定の空間になく、開けた広場のようになっている場所。そこには、軽装甲のシルフのプレイヤーが二人と、赤い鎧をつけたサラマンダーが三人たむろしていた。……軽装甲のシルフたちはともかくとして、サラマンダーたちの装備は、昨夜壊したばかりなので見覚えがある。
「……レコン、間違いないか?」
大きな音をたててしまうと、レコンの《ホロウ・ボディ》の効果が消えてしまう。出来る限り小声でレコンに確認を取ると、そのまま小さくコクリと頷いた。
――どうやらビンゴらしい……!
広場を構成する大木の裏側に着地し、サラマンダーたちの密談を伺い始める。現場を見たところで、証拠と何をやろうとしているのか見抜けなくては、それこそなんの意味もない。
ここまで来た立役者とも言える、レコンの《ホロウ・ボディ》とはいえども、近づきすぎてはその効力を失ってしまう。よって、遠くからその様子を伺うことになるのだが……
「……良く聞こえないわね」
聴力の高いケットシーでもいれば話は違ったかも知れないが、ここにいるのはシルフが二人にレプラコーンが一人。聴力が低いリズは聞き取れず、決して聴力が低い方ではない俺とレコンも、断片的なキーワードしか聞き取れない。
「……もうちょっと近づくしかないか……レコン、任せられるか?」
ここまで接近してしまえば、後はスニーキングに慣れているレコンに任せるしかない。レコンもそう思っていたらしく、翼を展開せずにゆっくりとシルフたちへと向かっていく。足跡も足音もないという素晴らしい手際だったが、サラマンダーたちに行動があった。
パーティーメンバー以外からは見えないはずのレコンの方を向き、サラマンダーが魔法の詠唱を始めたのである。……その魔法の詠唱とレコンに向ける手に危機感を感じ、俺は《ホロウ・ボディ》が消えるのにも構わず、大きな声を出してしまう。
「避けろレコン!」
しかし俺の声は、結果としてレコンに届くことはなかった。魔法によって、サラマンダーの手から火炎放射が発せられ、俺の声と時を同じくしてレコンを襲ったからだ。
「うわっ!」
幸いにもサラマンダーと戦ったことのあるレコンは、詠唱の内容だけでサラマンダーの使用する魔法が分かったようで、《ホロウ・ボディ》の解除とともに飛び退くことによって事なきを得る。そのまま火炎放射は俺たちが隠れていた木に直撃し、その木をそのまま灰にしてしまう。
「よう、レコン。良く避けたな」
同じパーティーにい
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