火竜と灰竜、そして毒
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ホットアイの説明が終わる。
と同時にグレイが口を開いた。
「皮肉なモンだな・・・平和の名を持つニルヴァーナが今・・・邪悪な目的の為に使われようとしてるなんてよォ」
「でも・・・最初から『光を闇に』する要素を付けなきゃ、いい魔法だったのにね」
「仕方あるまい・・・古代人もそこまで計算していなかったのかもしれん」
「強い魔法には強い副作用ってのがお約束だからな」
グレイに続くようにルーシィ、ジュラ、アルカが口を開く。
すると、黙って聞いていたティアが呆れたように肩を竦めた。
「にしても、ニルビット族っていうのもバカね」
「ティア?」
ルーが首を傾げる。
「魔法は無敵の力じゃない。魔法で全ての事が解決出来るなんて有り得ない。世界のバランスを取れるのは世界に生きる人間だけよ。魔法でバランスを保てるほど、世界は簡単なモノじゃないでしょ」
「くくっ・・・相変わらず面白れぇ事言うな、お前は」
ティアの言葉にアルカが笑う。
その漆黒の目に一瞬狂いが浮かんだ。
「とにかく、これが動いてしまった事は大変な事デス。一刻も早く止めなければなりませんデスネ」
「当たり前だ」
「うん!」
「何が何でも止めてみせるよ!」
「・・・で、この動いてる都市を止める方法は?」
ホットアイの言葉にグレイ、ルーシィ、ルーが頷き、ティアが何処か面倒そうに問いかける。
「ブレインは中央の『王の間』からこの都市を動かしているのでしょう。その間ブレインは魔法を使えません。叩くチャンスデス」
「動かすって、どこかに向かってんのか?」
「おそらくは・・・しかし私は目的地を知りませんデス」
グレイが問うが、ホットアイは目的地を知らないようだ。
そんなメンバーを眺めていたティアにアルカが声を掛ける。
「目的地、解るか?」
「・・・何で私に聞くのよ」
「お前の事だ。連合軍参加を決めて、何の情報もなしに集合場所に来たとは思えねェ。多少の事は調べてきてんだろ?クロス使ってさ」
「使うとは失礼ね。ナイスタイミングで連絡が来たのよ・・・アンタの質問だけど、目的地は解らない。でもこのまままっすぐ進めば・・・」
「進めば?」
そこまで言って、ティアは沈黙した。
アルカは数秒ティアを見つめ、視線を逸らす。
こうなったティアの口を開かせるのは難しい、と長い付き合いで学んでいるのだ。
すると――――――――
「そうさ、父上の考えはボクしか知らない」
『!』
声が降ってきた。
「ミッドナイト!?」
「六魔将軍か!?」
「ずっと眠ってた人だ!」
「ああ!睡眠不足!」
「違うと思うぞ、ルー」
建物の上に腰掛ける六魔将軍の1人、ミッドナイト。
ミッドナイ
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