4部分:第四章
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してヤクルト打線を抑えた。
「やっぱりええピッチャーは打てへんようやな」
野村は歯噛みしてそう呟いた。選手達もそれは同じであった。
「救世主が欲しいですね」
広沢がポツリと呟いた。そして彼等は球場を後にした。
その次の日はそう言った広沢本人が致命的なミスをしてしまった。
何とサヨナラエラーである。何の変哲もない一塁ゴロを誤って後ろに逸らしてしまったのである。
「何とやっとるんじゃ」
野村はそれを見て憮然としてそう呟いた。
「これこそ不思議の負けなしや。守備ちゅうのはこうした時に出てくるもんなんや」
そう言って広沢の守備を批判した。広沢はそれを黙って聞いているしかなかった。
終わってみれば九連敗である。この試合で首位が入れ替わってしまった。あまりにも痛いエラーであった。
だが阪神にとっては僥倖であった。阪神ファンはもうお祭り騒ぎであった。
「このままいけるで!」
「ああ、優勝や!」
関西はそうした話題でもちきりであった。スポーツ新聞は連日阪神の勝利を大々的に伝えた。何と高校でスポーツ新聞を読んで満面の笑みを浮かべる女子高生までいたのだ。
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