準備期間〜
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咲が言いたい事はわかる。
「蓮華にどう話すか・・・だよな」
「ああ。普通ならあんな事したら打ち首もんだ。・・・けど、俺は・・・」
「明命、もし蓮華に打ち首を宣告されたらどうする?」
「・・・私は・・・国を、捨てます」
「っ!?」
「そんな・・・ダメだよお母様!?」
「家族を守れなくて国は守れませんよ、椿」
「わたしは本当の娘じゃない!この世界の椿だって生まれるかもしれないんだよ!?だから・・・」
「関係ありませんよ。“私の娘”である以上、どこの世界の椿も大事な家族です。・・・あなたの母親の明命もそう思う筈です」
「お母様・・・」
「まったく・・・大罪だぞ、明命」
「本当に国は捨てませんよ。国の隅でひっそりと暮らして、悪が現れたなら傭兵のように戦う。・・・そんな生活もいいですよね」
「・・・そうなったら俺もお前と運命を共にするからな」
「亮・・・ですが」
「・・・本当にその時になったらどうなるかは俺にも分からない。でもな、明命は・・・人を殺した恐怖に潰されかけた俺を救ってくれた。恋姫から消える時も戻れる保証はないのに着いてきてくれた。ずっと色んな世界で助けてくれて・・・身も、重ねた。・・・それなのに俺はまだ明命に何も返せてちゃいない。・・・明命の幸せの為に俺は動きたい」
「くすっ・・・充分、幸せですよ。亮に出会えただけで・・・私は満たされています」
そこで明命は笑う。
「いいんですか?蓮華様や思春殿達が怒りますよ?」
「・・・沢山愛すべき人がいるのは大変だな・・・あはは・・・」
「話は終わったか?」
咲がニヤリと笑いながら聞いてくる。
「お前も悩まなくていいのかよ?」
「生憎答えは一個だけなんだよ。なぁ恋?」
「(コクッ)」
咲と恋は口を開く。
「「家族を守るのは当たり前」」
「・・・お前らは単純でいいのな」
「お前が考えすぎなんだよ。頭悪いのに」
「んだと!?」
「お、お父様、ケンカはダメだよ」
「そうだよ父さん・・・」
「くくっ・・・あはは・・・」
「ははは!」
俺と咲は笑う。年の近い娘・・・か。
コンコン
「亮様、蓮華様がお呼びですよ」
春鈴の声が扉の向こうから聞こえ、椿と愛依の表情が固まる。そんな椿と愛依の頭に俺と咲は手を乗せる。
「大丈夫」
「俺達が守ってやるからよ」
「「・・・うん!」」
そして再び蓮華が待つ玉座へ向かう。椿と愛依は震えながらもしっかりと蓮華の正面に立つ。
「・・・貴様達が今回の騒動の主犯か?」
鋭く刺さる蓮華の声。二人は再び肩を震わせな
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