暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
準備期間〜
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の?」



「う・・・れ、蓮華・・・」

「?」

隣でリョウコウが顔を抑え・・・何かを諦めたかのように美幸のフードを掴んで降ろした。

「あっ・・・!りょ、りょう!?」

「もう手遅れだっつの。わりぃ、紹介し直す。コイツは麻野美幸。プレイヤーネーム“サチ”だ」



「え・・・」

その言葉を聞いて俺は固まる。見た目こそALOのアバターだが・・・確かに、サチと言われれば納得する。

「・・・あ・・・」

「レコンやヤミやクラナに引き続いての切札ってとこだな」


「・・・」

別世界のサチに聞きたいことがあった。けどそれはいざとなると口には出ず・・・

「・・・同じだよ、亮」

「え・・・」

美幸が目の前に立っていた。

「私の世界でも・・・月夜の黒猫団で生き残ったのは・・・私だけ」

「・・・!!」

俺は歯を食い縛る。

「・・・リョウ、一つ聞かせてくれ。お前は本来の・・・正史に存在するソードアート・オンラインの世界は・・・」

「・・・ああ、知ってるぜ」

「・・・そこでも、月夜の黒猫団は・・・」



リョウコウが一度美幸を見て、美幸が頷いたのを確認してから口を開く。

「・・・全滅だ。当然、“サチ”もな」

「・・・そう、か」
その時だった。こちらのサチがやって来た。

「・・・亮」

「サチ・・・聞いてたのか?」

「うん・・・」


俺は頭を掻く。

「・・・何と言うか、難しいな・・・外史って・・・」

「ま、難しく考えんなや。お前は確かにサチを救った。それでいいじゃねえか」

「・・・はは、そう考えとくよ。ところで、同じ“サチ”がいて世界的には平気なのか?」

「元はサチでも殆ど別存在だから問題ねぇだろ。しかも本名もちげぇんだからな」

「あ・・・紗智と美幸・・・」


つまり世界は別人と見てるのか・・・


「・・・あの、亮・・・いいですか?」

「ん?なんだ、明命?」

「・・・お話したいことがあります」

俺は皆に断ってから外に出る。ちなみにリョウコウと美幸はこの世界が襲撃された際にも長く滞在していたため、一部の人間には真名を託されているらしい。しかもリョウコウに至っては霞の副将という名目で魏軍に書類上所属しているそうだ。



「・・・何処に行くんだ?」

「椿を休ませているところです。先に恋さんや咲さんも移動してもらっています」

・・・案内された部屋に入ると・・・

「あ・・・亮・・・」

椿が起きていた。隣には愛依もいる。

「目が覚めましたか。気分はどうですか?」

「えと・・・少し、気持ち悪いです・・・周泰、さん・・・」
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