『第三十一話』〜決着〜
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いない。全てが終わってしまうのよ……」
その時、再び【邪】の者から黒い何かが噴き出した。
「さっきより大きい!?」
「あんなものを食らえば、いくら彼でも!!」
「拓斗君! 逃げてぇぇぇぇぇ!!」
「私、助けに行く!!」
「無茶だよフェイト!!」
「でも! このまま見殺しになんて出来ないよ!!」
だが、そうしている間に無情にもそれは放たれた。そして……拓斗は完全にそれに飲み込まれてしまった。
「「い、嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」
なのはとフェイトが悲鳴をあげながら崩れ落ちた……
【邪】の者side
【オワッタカ……】
少年の姿は死霊達によって完全に見えなくなっていた。
【コレデワタシヲジャマスルモノハイナクナッタ……】
これで、私はアルハザードに行ける!
【サァ、ハジメヨウ……】
――ピキッ……
【ン? ナンダ?】
亀裂が入る音に目を向ける。そこには信じられない光景があった。
【ナ!? ソンナバカナ!?】
少年を覆っていた死霊の壁に次々に罅が入って行く。
――パリィィィィィィン!!!
そして、ついには甲高い音を残して死霊達は完全に消滅した。
「………」
【キサマ……イッタイ……ワタシノドウシニイッタイナニヲシタァァァァァァ!?】
拓斗side
俺は死霊の奔流にあえて身を任せた。あっという間に俺を飲み込んで行く死霊達。
[拓斗!? 何してやがる!? すぐにここから出ろ!!]
それでも動かない俺の耳に、またあの声が聞こえてきた。
【…お母さん……】
幼い女の子の声、それに続いて他の声も聞こえてきた。
【やめて…やめてよぉ……】
【なんで!? 何でこんなことに!?】
【に、逃げて……】
【死にたくない。死にたくない!!】
【お願い……殺さないで……】
(これは…【邪】の者が言っていた同志達の魂の声か?)
痛々しい声、戸惑う声、許しを請う声、後悔、無念、悲しみが伝わってくる。
(やはり……生前だけでなく、死して尚苦しみを味わい続けているのか……)
【…お母さん……】
俺の目の前に少女の顔が浮かんだ。
【お母さん…何処? 私を置いて行かないで……】
(この子の母親は死んでしまっていないのか)
【お母さん…私の事嫌いになっちゃったの? だから私を置いて行くの?】
「……それは違うよ」
【え?】
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