第10話 閑話!修行の合間の風景
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なら乗れるだろうと確信しており、ナシゴに筋斗雲を与えることを考えた。
「筋斗雲よーい!」
カリンの叫び声に、カリン塔の近くに、大きな黄色い雲が飛んできた。
「改めて見ると、大きいなぁ」
カリン塔のてっぺんの住居区域の何十倍もの大きさがある筋斗雲を見て、そんな感想を言うナシゴ。
「よっ、と」
カリンが、呼び出した筋斗雲の上に乗り、一人用ぐらいの大きさにちぎってカリン塔のてっぺんへと戻ってくる。
「よし、試してみろ」
ナシゴは、恐る恐る筋斗雲を触ってみた。
「感触がある!」
手に感触があるのを確認した後、ナシゴは思い切って筋斗雲の上に飛び乗ってみた。すると、ナシゴは筋斗雲をすり抜けることなく、雲の上に立ち上がることが出来た。
「乗れました! カリン様」
まさか、自分は乗れないだろうと疑っていたナシゴだったが、思わず乗ることが出来て、すぐに、乗り方のコツを掴んで、右へ左へ飛び回ってかなりはしゃいでいる。
「そうじゃろう、そうじゃろう」
カリンも、見立てが間違っていなかったことに満足して、その筋斗雲はナシゴに与えることにした。
その後、偶に筋斗雲に乗って世界を回ったりすることが趣味の一つになったナシゴであった。
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