第10話 閑話!修行の合間の風景
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。超神水に見事打ち克つことが出来るかもしれないということを。
「ちょっと待っておれ、今持ってこよう」
カリンは、超神水の猛毒を克服する人間を見てみたいという思いで、ナシゴに挑戦させる事を許可した。
神と書かれたラベルが貼ってある急須に、湯呑みが掛かっている。カリンが湯呑みを立てて、その中に超神水を注ぎ込む。紫色のいかにも飲んではマズイ色をしている。
「本当に挑戦するんじゃな?」
「はい、カリン様。挑戦してみます」
カリンから受け取った湯呑みを覗きこむナシゴ。匂いは無臭だったが、見た目でためらわれるような色をしている。カリンは覚悟を決めて、湯呑みを口につけて、一気に傾ける。そのまま、一気に飲み込んだ。
「ぐ、うおおおおおぉぉ!」
飲んだ瞬間、喉の奥に鋭い痛みと、急に全身が暑いのか寒いのか分からない、肌の感覚が狂うような感じ。さらに上下感覚が狂い、立っていられずに、地面へと倒れこむ。勝手に喉に手が伸びて、痛みを和らげようと何とか手を添える。しかし、そんなことをしても痛みは増すばかりだった。
ナシゴは超神水を飲んでから数分を何とか耐えていたが、体力と精神力がほとんどすべて奪われて、限界ギリギリまでの状態となってしまった。
「ぐぅぅぅっ」
「無理なら吐き出すのじゃ! 死んでしまうぞ」
カリンは、ナシゴの体力精神力が限界に近いことを見抜き、吐き出すように言う。
「うぐぐっ、げぇぇぇ」
くぐもった声で、返事とも付かない声を返した後、ナシゴは超神水を吐き出してしまった。
「はぁ、はぁ、はぁ」
超神水を吐き出すと、身体に感じていた異常がスッと全て消え去った。乱れる息を何とか整えようとするナシゴ。やはりダメだったかという、残念な気持ちでいっぱいになる。
「すまん、ナシゴよ。お主なら、もしやと思ったんじゃが」
「い、いえ、カリン様。飲んでみたいと言ったのは私です。カリン様が気に病む必要はありません」
結局、ナシゴは超神水の猛毒に打ち克つことは出来なかった。ナシゴは素直に修行を続けることが一番だと考え直して修行を進めることにした。また、こんな苦しい超神水を6時間も耐え抜いて猛毒を克服した孫悟空を、改めてとんでもなくすごい奴だと見なおした。
――――
「お主は、筋斗雲に乗れるかのう?」
ある日突然、カリンはナシゴが筋斗雲に乗れるかどうか気になった。
「どうでしょう? 自分は修行馬鹿ですが、筋斗雲に乗れるほど純粋かどうか」
ナシゴは、自分が修行に関しては馬鹿正直だと感じていたが、心のキレイな人しか乗ることができないと言われている筋斗雲に乗れるほど、自分を純粋だとは思っていなかった。だから、筋斗雲には乗れはしないだろうと感じていた。
「とにかく、呼んで試してみようかのう」
カリンは、ナシゴ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ