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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
キャスター対策会議
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ば、長男に対する知識の伝授は行われていただろう。。
しかし長い歴史を誇る魔術師家系の長男でありながら、
存在意義
(
魔術回路
)
を生まれたときから持っていなかった。
そこには彼にしか分からない苦悩と葛藤があったはずだ。
俺の抱える懊悩とは全く別物で、どちらがより過酷かなどという比較は有り得ない。
安い同情や上面だけの共感、紙よりも薄く軽い憐憫の言葉など出てこようはずがなかった。
あるいはその事が原因で、アイツは変わってしまったのかもしれない。
ただ俺は魔術師として戦い、魔術師として手を下した。
それが慎二に対して正しいことだったのか、間違っていたのかはわからない。
「ただの馬鹿ってわけじゃなかったか……いい話を聞けた」
だからまた一つこの事実を刻んで、慎二の死を意味あるものにする。
居なくなった人間は忘れられていくのが人の世の常だ。
時間が経てば経つほど忘却は顕著になり、直接手に掛けた俺は例外としても、他の人間はその時だけ印象に残っても数年も経てば記憶から消えていく。
昨日の今日で慎二の家のことを凛から聞けたのは幸いだった。
昔に仲良くしていたとはいっても、魔術師としての間桐慎二を俺はよく知らないままだったから。
「そこまで大仰な理由や責任を持っていたとは思えないけれど」
「あんまりそういうこと言うなよ。自分の程度を下げるぞ」
「別に侮辱の意図があって言ったわけじゃないわよ…………黎慈も律義ね。自ら手に掛けたからかは知らないけど、あんたは死者の名誉まで守ろうとするのね」
「そんな大層なつもりはねえよ。例えば俺が負けて殺されたとして、その後に誰かが俺を蔑ろにする発言をすれば、凛も同じように憤ってくれると思うしな」
「……ええそうね。なら是非とも負けるときは、私とアーチャーに叩き潰されてちょうだい」
とんでもなく物騒なことをすげえいい笑顔で言われた。
不意打ちとか騙し討ちとか無しに正々堂々と戦いたいとは思っているが、かといって負けるつもりは毛頭ないんだが。
今のところアーチャーに関する情報は少ないが、戦うにあたって重要なのは距離だと踏んでいる。
アーチャーの名が示す通り、彼の得意分野は中距離以遠からの弓による射撃戦のはず。 かといって弓兵のクラスがキャスターと違うところは、ある程度の白兵戦にも対応できるところだ。
ていうかそうだ、キャスターだよ。
「それじゃあキャスターへの具体的な対策は?」
「先にマスターを探す────つもりだったんだけど」
「あー。学園に潜んでるマスターの気配はキャスターのマスターだと踏んでたのに、学園は閉鎖状態になったと」
「慎二のことといい、やけに頭の回転早いわね…………」
結界はキャスター陣営の
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