暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
キャスター対策会議
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ールはどう見ても無垢な少女だったが、彼女は紛れもなく、バーサーカーを引き連れる最強のマスターだ。
イリヤスフィールについて分かっていることは少ないが、個人的にはどうにも最初の印象と昼間に出会った彼女とが結びつかない。
もしかしたらそこに、イリヤスフィールとバーサーカーのペアをどうにかする糸口があるかもしれない。
「サーヴァント3人相手に真っ向から挑んでくるのよ? 自分のサーヴァントに絶対の自信があるんでしょうし……まあ、彼女に関しては居場所もわかってることだしね」
「え、居場所分かってんの?」
「ええ。遠坂とアインツベルンは聖杯戦争において、全く関わりがないってわけじゃないから」
何やら興味深いネタ──────遠坂とアインツベルンの関係。
そういえば最初に出会ったとき、彼女は名乗ることで凛が自分の事を理解できる、という風だった。
あの物言いは実際の面識はなくても、互いに知識として相手の事を知っていなければ出ない言葉だ。
「簡単にでいいんで、その関係っていうのを聞きたい」
「そうね……聖杯戦争があるのはいいけど、じゃあ始めたのは誰でしょう?」
「ああ。そもそもこんなこと始めたのが遠坂家とアインツベルン家ってことなのか」
「本当はもう一つ魔術の大家が関わってたけど、そこはもう衰退しちゃってるからね」
なるほど。大まかには3つの魔術師家系が聖杯戦争を作り上げたってことか。
恐らく英霊を召喚すること、律し制御下に置くこと、聖杯の器を用意することでそれぞれの役割があったのだろう。
そう考えた理由は聖杯戦争において、一番重要で、無くてはならない、しかし並みの魔術師では安易に真似できない点がその3つだから。
聖杯のバックアップがあって初めて英霊の召喚が成立する。
英霊を召喚し使役するには制御する術、令呪が必要であり。
聖杯を完成させるには英霊自身の魂を捧げる事が大前提だ。
冬木における聖杯戦争が意図的なものだと言うのなら、この3点は相互協力がなければ成り立たない事柄だ。
そして一つ、俺には気になる事があった。
「そのもう一つの魔術師の大家ってのは……慎二の家のことか」
「…………何をどう結び付けて、慎二の家がそうだと思ったわけ?」
「魔術師として自分の家系はもう衰退していると、慎二本人が言っていた。実際に令呪もなく魔術回路もなかったが、アイツはサーヴァントを召喚し使役していた。
なら。この聖杯戦争を始めた、よく知っている人間だからこそ可能な裏技でもあったんじゃないかと思ってな」
「……………………」
沈黙は肯定也。
つまり慎二にも聖杯戦争に参加するにあたって、何かしら背負うものはあったのか。
衰退しても魔術師の家系であるなら
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