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東方虚空伝
第三章   [ 花 鳥 風 月 ]
三十五話 狂花は散りて……
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 七枷の郷の上空で二人の人物がぶつかり合う。
 幽香が放つ日傘の一撃を紫は鉄扇で打ち払うと拳大程の水色の光弾を五つ造り出し撃ち放つ。光弾は不規則で鋭角的な軌道を取りながら幽香へと迫るが幽香は五つの光弾全てを日傘で打ち落としてしまった。
 そして一気に距離を詰めた幽香の日傘の切っ先が紫の喉元を貫こうと高速で突きこまれるがその一撃は小さく展開されたスキマに滑り込み、その切っ先は攻撃を放った幽香の左即頭部の近くに開いたスキマから現れ幽香自身の頭を強打した。
 頭に受けた衝撃と不可解な現象に思考が混乱した幽香の動きが鈍り、その隙を紫は見逃さず一瞬で八つの水色に輝く光弾を造り出し一斉に放った。八つの光弾は一直線に幽香目掛け光の軌跡を残しながら殺到し爆光を発しながら地上へと吹飛ばし、幽香は苦悶の声を上げながら墜落していく。

「がっ!こ、この!」

 紫が手に持つ鉄扇を開き一凪すると紫の周囲に数十にも及ぶ紫銀のクナイ型の光弾が生まれ地上に向け墜落する幽香目掛けて高速で撃ち出され、まだ空中に居た幽香を叩き落しながら爆散していく。更に幽香が落ちた場所の上空にスキマが開かれ中から十メートルを超える巨岩が出現し重力に引かれ大地へと鉄槌の如く落下、激しい振動と轟音を起こした。
 紫の経験上今ので並みの妖怪なら死んでいるがあの女は間違いなく生きている、直感的にそう感じた紫が更に追撃に移ろうとした瞬間、極彩色の輝きが巨岩を砕き更にその光は鋭い刃の様なり空中に居た紫へと迫ってくる。

「っ!?」

 その一撃を身を捻る事で躱した紫の目の前に何時の間にか接近していた幽香が現れ紫の頭を左手で鷲掴みにした。幽香の服の所々は破れ肌からは血が流れているが深刻な傷は負っていない。

「…痛かったわよ…だからお礼をしてあげる!」
 
 幽香はそう叫ぶと掴んだ紫を力任せに地上に向け投げ飛ばし紫は激しく地面へと叩きつけられその衝撃で巨大な窪地が出来上がった。更に空中から追撃してきた幽香が紫の腹部目掛けて蹴りを放つとその威力で窪地が更に広がる。

「がぁッふぁっ!!」

「痛いかしら?私はもっと痛かったわ!そらッ!そらッ!そらッ!そらッ!」

 地面に叩き付けられた痛みと腹部への一撃で苦悶の声を上げる紫の腹部に幽香は何度も足を振り下ろす。腹部に幽香の攻撃が加えられる度に紫の口からは苦悶の声と血が吐き出され、幽香は止めのつもりか蹴りを止め右手に持っていた日傘を振り上げ紫の眉間目掛けてその切っ先を突き下ろした。が日傘の切っ先が紫の眉間を貫こうとした瞬間、紫の身体が地面に開いたスキマに一瞬で沈み日傘の切っ先は何も無い地面に突き刺ささり、幽香の背後に現れた紫が鉄扇で容赦無く幽香の首筋を薙ぎ払った。
 幽香は短い悲鳴を上げて近くにあった民家の壁へと叩きつけられ、攻撃を行
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