第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
三十五話 狂花は散りて……
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「何の真似だい!虚空!」
そんな事をした僕に対して神奈子から怒声をぶつけられる。当然といえば当然であろう、郷を破壊した妖怪を郷を守護すべき祭神である僕が助けたのだから。
「ごめんね、ちょっと事情があるんだよ」
神奈子達にそう返答しながら僕は神奈子に抱きかかえられている傷だらけの紫に気付き、心中は複雑だった。さとり達と約束したとはいえ自分の愛娘を此処まで痛めつけた相手を助けないといけないのだから。
「事情あるだか何だか知らないけど、ここまでされて助ける義理なんかないね!」
怒り心頭といった感じで諏訪子が僕に詰め寄りそんな言葉をぶつけてくる。その瞬間僕の背後で爆発的な妖気の高まりが起こり、振り向くと幽香が神奈子の捕縛陣を無理矢理破ろうとしている所だった。
「こいつまだこんな力が残ってるの!」
その光景に驚きの声を上げる諏訪子。
「があああァァァァァァ!!!!!!」
力任せに風の拘束を引き千切ろうとするその身体には無数の裂傷が奔り自身の血で赤い服を更に朱色に染め上げていた。その表情は狂気に染まりどう見ても正気じゃない、そう思った僕の目に幽香の右手首で怪しい光を放つ金色の輪が写り、それが自分の知っているある呪具である事に気付き幽香の現状をはっきり理解できた。
「…なるほどね、郷を襲ったのはそういう事だったのか。全くあいつが関わると碌な事が無い…」
僕の脳裏にあまり思い出したくない相手が蘇り速攻で記憶から消去した。そして僕は幽香へ一気に接近すると色欲で金色の輪ごと幽香の右手首を貫いた。金色の輪は二つに割れて地面に落ち、それと同時に幽香の妖気は四散し意識を失ったのかまるで糸の切れた人形の様にその場に倒れ、そこに空からさとり達の声が聞こえた。
「幽香姉さん!」
「幽香お姉ちゃん!」
上空から降りてきたさとりとこいしが倒れた幽香を抱き上げ声をかけるが意識を取り戻す気配は無い、まぁあの傷と消耗具合からして早く治療しないといくら妖怪とは言え命に関わるだろう。さとり達もそれに気付いたのか幽香を横にすると様子を見ていた諏訪子と神奈子に向き直り突然土下座を始める。
「七枷の神とお見受けします!どうか!どうか姉をお助けください!姉のした事を考えれば虫がいいとは思いますが私達に取っては掛け替えの無い大切な家族なんです!どうか!どうか!この通りです!」
「お願いします!私達も一杯謝りますから!何でもしますから!お姉ちゃんを助けてください!お願いします!お願いします!」
頭を涙で濡らした地面に擦りつけながら懇願する二人の姿に流石に毒気を抜かれたのか諏訪子達は困惑した様な顔で僕に視線を送ってくる。どうするのかと、そう無言で問いかけているのだろう。
「二人
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