奢り
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にかけていた。
それを呆れたような様子で見つつ、もう一度メニューを見ると、顎に手を当てた。
「うーん……いざ食べるとなると悩むな。肉は姉さんとワン子がガンガン注文してるからそれを食べればいいとして……。無難にビビンバとかでも食べるか」
「何注文するか決まった?」
「あぁうん。千李姉さんと瑠奈も決まったの?」
「ええ。百代ー、今から言うやつ注文してくれるー?」
「おーうわかったー」
百代が了承したのを確認すると、千李は自分と瑠奈のぶんの品を伝えた。
それに続くように大和も百代に頼んだ。
ご飯ものが運ばれる間、千李は肉を咀嚼しながら大和に問うた。
「ねぇ大和、アンタ今月末にある東西交流戦の対策とかもう立ててんの?」
「ん、まぁそれなりにはね。けど2−Fだけで戦うわけじゃないからね。他のクラスのヤツとも協力しないといけないわけだし」
「そうね。百代とも話したけれど、2−Sには優れた人材が多いしね。最近入ったマルギッテはもちろんのこと、戦略系で言えば葵冬馬とかね。それにあの子にくっついてる榊原ちゃんとか井上くんも結構やりそうだし」
「ロリコ……じゃなかった。井上はともかくあの子が? そんな風には見えなかったけど」
大和が言うも、千李は人差し指を軽く左右に振ると含み笑いを浮かべた。
「あの子結構足を鍛えてる感じがあったからね。アレで蹴られたら結構痛いと思うわよ」
「へぇ……。結構細い感じしたけどそんなに……」
「まぁ外見はそこまで変じゃないけど、中身は凄いでしょうね。その辺は実際に確認してみるのもいいかもね」
笑みをこぼす千李だが、その腕は肉の方に伸ばされていた。大和がちらりとそちらを見やると、
「あっ!? 千李姉さん! それ俺が育てたカルビ!!」
「取ったもん勝ちよー。第一名前なんて書いてないじゃない」
「ぐぬぬ……」
千李のなんともいえないような屁理屈に大和は悔しげな表情をするものの、その隣から京が溜息混じりに告げた。
「仕方ないなー大和。ホラ、私が育てた肉あげるから」
「そんな真っ赤にコーティングされてる肉なんていりません」
「むー」
京の誘いを手馴れた感じで受け流すと、大和は溜息をつきつつもう一度肉を網の上に置いた。すると、百代が二人を呼んだ。
「姉さん、大和ー。注文してたやつ来たぞー」
「じゃあちょっとこっちまでまわしてくれる?」
百代はそれに頷くと、隣に座る一子にそれを手渡した。その後、バケツリレーのように運ばれてきたものを受け取ると、千李と大和はそれに手をつけた。
その後、夜の八時頃までファミリーの面々は焼肉を楽しんだ。
店を出た千李
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