黒蝕の陰、天廻の陽
未知の樹海?
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「いやぁ〜中々に狩り応えがあったなあの虫!」
ダイラスが肩をほぐしながら高らかに言う。
「ようやく肩のこりみたいなもんが取れたって感じだし、さっさと他の依頼も片付けちまおうぜアル!」
「うん、あんまり長旅にしたくもないし。」
アルフレッドが書物と二種類のエキスを交互に睨めながら荷車の上でダイラスに応えた。
「あら、たまにはこういう長旅もいいんじゃないかしら?貴方がギルド本部に居ると大体の仕事は貴方一人で片付けちゃって、本職の人がやることがないって聞いてたし。」
「アルマさん…その情報は一体どこから…。」
「乙女の情報網を探ろうだなんていけない旦那さんね。今晩は楽しくなりそうだわ。」
(しまった、墓穴を掘ってしまった!これは今日干からびるかもしれないぞ…。)
何か裏がありそうな笑顔をするアルマと自らの過ぎた行いを省み頭に手を当てるアルフレッド。
それを尻目にダイラスは
「そうだマトレガ、そのヘヴィボウガン重くないのか?」
「…心配ありがとう、私は大丈夫。」
女の子であるにも関わらず重い武器であるヘヴィボウガンを取り回すマトレガの身を案じていた。
ヘヴィボウガンは重さ・機動性と引き換えに弾丸の威力を向上させたものではある。
「俺は一番力を発揮しやすいのがハンマーだからハンマーを選んだ。ま、お前がどんな武器を使おうがお前の自由だよな!」
「…うん。」
マトレガは自身の体を少しダイラスに預ける。
こうして新天地にて初の中型種の狩猟は幕を閉じた。
バルバレに到着するとジャックスが突進するファンゴの如く物凄い速度で駆け寄ってきた。
「お前さんたち!よくやってくれた!!我らの団にあの料理長ネコが入ってくれたぞ!!!!!」
アルフレッドの肩を思いっきり揺さぶったかと思ったら次はいきなり踊りだすジャックス。
「ジャックスさん…元気がよすぎます…。」
我らの団長の元気さに汗をかくアルフレッド。
「おっと、そうだ。もう二つ、普通のお知らせといい知らせだ。」
「いい知らせから聞かせてください。」
アルフレッドがそう言うとジャックスは集会所の少し手前を指差し
「あそこに竜人のじいさんが座っているのが見えるか?」
「ええ、見えます。旗の立った台座の様な物に座っていますね。」
錫杖を持ち旗と大量の荷物が積み上げられた台座に座っている竜人の老人が一人。
「あの人は竜人商人と言ってな。今回の旅に同行してくれることになった!」
竜人商人はアルフレッド達に気づくと片手を挙げて笑っているかのように見えた。
「商人はキャラバンを運営するにあたって必要な物資の供給ラインになる重
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