最終話 平和を願って
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は配属されたばかりで接点が無く、かなり希薄な存在として見られている。
そんな雑談をしている間に彼らは目的地であったラー・カイラムにまでたどり着いた。
「遅いぞお前ら」
「「すいません」」
マーレが到着地点で既に待っており、時間に遅れたことを素直に謝る二人。
「全く、これが終わったら休みとってオーブに行くんだろ?だったらそれまではしっかり働けよ。休みがもらえなくなるぞ」
やれやれと溜息をつきながらマーレはそういう。
「シンはオーブでステラって娘に会いに行くんだっけ?」
若干冷たい目線でシンを睨みながらそう言うルナマリア。彼女は色々とあって今現在オーブに居る。シンはそれに対して頷きつつも、オーブに行こうと考えていたもう一つの理由も話す。
「それもあるけど、他にもいろいろ。これまで色々あったことや、クラウが居なくなった事とかを家族やあの人に報告すべきかなって思って……」
憂鬱気にシンはそう呟く。死んでいなくなったとはいえ、シン自身も気持ちに多少の整理がついた。今でもあのオーブの慰霊碑は偽善の類だと思っている。だけど、いつまでも自分からオーブや家族に目を背けるのは間違いじゃないのかと思うようになった。
だから家族に自分は元気だという事や、クラウが行方不明になったことなどを伝えるためにも、もう一度オーブに行こうと考えていた。それにオーブにはシンを助けてくれたトダカもいる。彼には色々とお世話になったし、お礼をしたいともシンは思っていた。
「ごめん……」
「別に気にすんなよ!ルナが悪いってわけじゃないんだしさ!」
そんな風に真剣に考えていたシンに対してルナマリアは自分が下衆の勘繰りをしていたことに自己嫌悪に陥り謝る。シンはそのことに気付かず、場の雰囲気を悪くしたことに対してルナマリアの責任じゃないといった。
(ホント、こいつ等いつになったら付き合うのやら……)
そんな事をマーレは考えながら二人の会話を聞きつつも、働くのであった。
◇
そんな風にアスラン達やシン達がプラントで話し合っていた頃、オーブ本島であるヤラファス島の都市から少し離れた場所にある喫茶店。そこに一人の客が訪れていた。
珈琲喫茶店~虎~――――マスターがこだわりの豆を用意している珈琲がメインの喫茶店だ。趣味の類の店だといった感じがあり、つい先日開店したばかりだがまずまずの売り上げを出していた。
「いらっしゃい」
「あー『本日のおすすめブレンド』というやつをお願いします。あと適当につまめる物を」
その客はサングラスをかけており、どちらかというと線の細い男で学者や研究者といった感じに見える。
「旅行か何かかね?」
持っているローラーバッグなどの荷物からして旅行にでも
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