最終話 平和を願って
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アークエンジェルはオーブによりを戻したのである。
「ああ、グラディス艦長のおかげらしいな。こちらとしても感謝していると伝えたいんだが……」
「無理、だろうな……。カガリも知っているとは思うが、あの人は今――――軍事裁判を受けているから」
タリア・グラディスは歴戦の艦長であり、実力を兼ね備えている人物ではあるが、色々とやっかみを受けている人物でもあった。デュランダル前議長に取り入ってミネルバの艦長やフェイスにしてもらったなどと影で噂されたこともある。
そんな彼女が、アークエンジェルに対して全責任を負うという発言をし、それを皮切りに実はあの戦闘時にギルバート・デュランダルとは繋がっていたのではないかという謂れのないことを指摘され、軍事裁判を受ける結果となったのだ。
「出来る限りの弁護をしてはいるし、死刑になるなんてことはまずないだろうが、軍役を止める事にはなるかもしれない」
かもしれないとは言うが、実際にはほぼ確実に止めることになるだろう。無罪になる可能性は低く、仮に無罪になったとしても軍事裁判まで受けて軍役を続けるかは甚だ疑問である。
「デュランダル前議長もつい先日だが、死刑宣告が言い渡された」
これまでの様々な戦犯行為とも言えるデュランダル前議長の行いは、敗戦の将となってしまった時点で見過ごせるものではなく、公式的には総ての責任を取る為、死刑が言い渡されていた。彼自身も今更抵抗してまで生きながらえる気はないのか、物静かな様子で判決を受け入れたらしい。
「……そうか。あの人も、あの人なりに平和への道を実現しようとしていたんだろうな……」
「でなければ、デスティニープランなんてものを実現しようなんて思わないはずさ。それで……キラはどうなったんだ?」
一番聞きたかったが、聞きづらい事でもあったキラについてアスランは尋ねる。
「キラはパイロットをもう止めるつもりらしい。怪我を理由になら軍役も辞め易い、だってさ。ラクスの事も、諦めたわけじゃないし忘れられるわけじゃないけど心の整理はついたとは言っていたよ」
「そう、か」
キラは最後のナイチンゲールの自爆によって機体のダメージと共に、怪我を負ってもいた。無論、今の科学技術なら治せない程の怪我ではないが、結局は戦い続けることでしか答えを得られなかった自分の事を見つめ直すため、そしてニュータイプという議長の言っていたことを調べるために、オーブ軍に再加入後、退役したそうだ。
「ニュータイプ……普通に考えるなら、ジョージ・グレンの考えていた人の今ではない未来……なんだろうが、分からないな。何故、デュランダルはニュータイプが人の革新を、人類の平和を呼び込むと言っていたんだろう?」
「私は、人がそんなあるかもわからないものにまで頼らないと本当
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