最終話 平和を願って
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ない。ユウナとしてもそこまで理路整然と並びたてられた話に同意せざる得なかった。
「オーブ代表のユウナ・ロマ・セイラン様とカガリ・ユラ・アスハ様ですね。こちらへどうぞ」
そうやって話しながら道を歩き、ようやく目的地である会談場所までたどり着いた。そして案内された部屋にいたのはザフトの軍服を着ていたアスランだった。
「よく来てくれた、カガリ。一応ここはまだ非公式の場だからな。オーブとは俺自身もザフトも無関係でいるわけにはいかない。表裏含めて色々と話し合いたい……あと、個人的にも」
アスラン・ザラ――――終戦に伴い、ザフトの臨時主導者の一人として軍方面の政治に関わる事になった。ザラとしての立場や戦時中の活躍、そして大戦の英雄という様々な意味で注目を集める彼は扱うには難しい駒だという判断をされ、それならばいっそ表舞台に立たせるべきだという判断となったのだ。
デュランダル派の人材が居なくなったことによる人材不足の煽りも受けていることは事実だが、アスラン自身もこれまで自分が逃げてきただけだと思い、臨時ではあるものの引き受けることにした。
「相変わらずだな、アスラン」
口調や言い回しに懐かしさすら感じるカガリ。事実、彼らが面と向かって相対したのはジブラルタル海峡の時以来だ。
あの時は実質敵同士だったと言っても良い。だが、今は立場は違えど敵などという剣呑な仲ではない。それがカガリにとってもアスランにとっても嬉しく思える事だった。
「えーっと、僕も一応いるっていう事は忘れてほしくないんだけど?」
「すまなかった、セイラン殿。忘れていたわけじゃないんだが、どういったタイミングで話しかければいいか迷ってな」
普通なら無視されたことに対して苛立ちが募るものだが、憎らしくない言い方と会談の交渉相手の一人というのもあってユウナもそこまで追及はしない。
その後、しばらくは会談の内容について互いの情報を交換したり、今後の情勢について話し合ったが、それも終わり個人的な話し合いになる。
「それじゃあ、エターナルに乗っていたラクス達は……」
「ああ、デュランダル前議長の証言や証拠も含めて、残念ながらエターナルは沈没したとみて間違いないだろう」
暗い報告として上げられたラクス・クラインを含む、エターナル乗員の死――――予想はしていたものの、いざ現実的な報告を聞くともの悲しさが漂う。
「……そっちの方はどうなんだ?アークエンジェルは正式にオーブ軍に再加入されることになったんだろう?」
話題を変えようとアスランはアークエンジェルクルーについて聞く。一時期はテロリストとして扱われていた彼らだが、先の大戦時のタリアの判断によって彼らの存在はザフトによって認められるものとなり、紆余曲折はあったものの、
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