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魔法少女リリカルなのは〜過去を捨て今を生きる者〜
ストライカーズ編!
怪我
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に広がり続ける。
その不安は収まることを知らず、どんどんと悪い方へと向かっていく。

「美愛ッ!」

完全に意識を持って行かれ、迫ってくる攻撃に対処できずに私は地上へと墜ちた。
私を心配した慎吾が二人に背を向け、そして攻撃を喰らい、同じように落ちていく。
結局二人して落とされ、任務は失敗に終わった。


気づいた時には、すべてが敵だった。
自分を傷つける、害虫。
目に見えるものすべてが敵で、自分を守るためには倒さないといけないモノ。
だから平気そうな顔をした。
他人から自分を護るために。
それは自分がしなければいけないこと。
そうしないと、自分はすぐに壊れてしまうから。
秘密がバレてしまう。
自分には声が存在しなかった。
いや、少し違う。
自分が出す声は、人間が出せる声とは違ったのだ。
だからほかの人には自分の声は届かない。
人間とは違うもの。
化物。
小さいながらに自分は事の重大さを理解し、バレたらどうなるかを理解していた。
多くの人は自分に同情するだろう。
だって、そうすれば世間体がよくなるから。
自分を駒のように考えて欲しくない。
同情なんてされたくない。
嫌だ。
そんなの、絶対に嫌だ。
だから今日もへっちゃらな顔をする。
ああ、これで大丈夫。
地獄は来ない。
同情なんてされない。
今日も、明日も、いつまでも。
でも、物事には終わりがつきもの。
周りに秘密がバレてしまった。
予想通り、みんなして自分に同情した。
やめて。
触らないで。
同情なんかするなッ!
だから、倒すんだ。
害虫たちを、一匹残らず。
意気込んだとき、温かなぬくもりに抱きしめられた。

「もう大丈夫」

そういったあの人は、自分に普通の声をくれた。
周りと同じ、普通の声を。

「コレをつければ、キミは周りと同じ、普通の人間になる。誰からも同情なんてされない」

あの人は自分の手を引き、子供たちの元へと連れて行ってくれた。
そこに敵はいなくて、優しさも、愛も、味方もいた。
害虫だらけだった世界を変えてくれたドクターは、やっぱりボクたちの命の恩人だった。

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