第六章
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。それは悟られないうちに隠した。
彼は目だけでバッターボックスにいる谷本を見た。谷本もそれに対し目で合図する。
秋山の腕が捻られた。その右腕が竜巻の様に唸る。
その時だった。坂本が走った。
(来たか!)
三原は心の中で叫んだ。もしや、とは思った。だがまさか本当に仕掛けてくるとは。
谷本はバントの構えを取った。もうウエストは出来ない。ボールはそのまま秋山の手を離れ谷本のバットへ向かう。
大洋内野陣がダッシュする。しかしそれも間に合いそうもない。
(やったか!)
西本は作戦が成功したと確信した。彼は頷いた。
(秋山、土井、頼むぞ)
三原は腕を組んだままそれを見ている。既に秋山はダッシュに入り土井はマスクを外した。
ボールがバットに当たる。ボールはそのまま地に落ちる。谷本は打球を上手く転がした。
かに見えた。ところがその打球は奇妙な転がり方をしたのだ。
普通ならそのまま前へ転がる。この場合は投手の秋山の方に。
この時打球が前へ転がっていたならば。西本と大毎ナインはそう思っただろう。
しかし何ということであろうか。打球は戻って来たのだ。打球を追う土井のほうへ。
土井はそのボールを素早く掴んだ。そして三塁から突入しホーム寸前まで来ていた坂本にタッチしたこれでツーアウト。
(なっ・・・・・・)
西本は絶句した。その間に土井はボールを振り向きざまに一塁へ投げた。
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