第36話。変人と月入りの時。
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がこの世界での体なんだ。・・悪餓鬼って感じね。前の方がよかったわ。渋くて。」
「そうかの?結構気にってるんやけど。」
「あれ?知り合い?」
「おう。体感時間で1年ぐらいの付き合いや。こいつが覚えが悪かったさかいに」
「なによ。銀ちゃんは私が最速だって言ってたわよ?」
恩師であり、尊敬の意を隠しきれない先生と、自らの救世主であり、憧れの存在である晋吾が、親しそうに話す姿に感動する志貴
「まぁ、俺はちょっとシッキーを見かけて寄っただけやから、後は師弟水入らず話してくれや。じゃな、シッキー。またな」
そう言って晋吾は去っていく。
「相変わらずマイペースな奴ね。神相手でもあんな感じよ?アイツ。」
「ハハッ・・」
なんて答えていいか分からず苦笑いを浮かべる志貴。そして去っていく晋吾の後ろ姿を目で追う。
「・・・・いい顔をするようになったわね。志貴」
「そう・・かな?」
「ええ、とっても。いい男になったわ」
「へへっ」
尊敬する先生に褒められ、歳相応の笑顔を見せる志貴。
この世が、こんなにも『脆い』世界だと知った時の顔とは、雲泥の差があった。
「・・・・ねぇ志貴」
「なんだい先生。」
「貴方は・・今、幸せ?」
志貴はその質問を、ゆっくり噛み砕くかのように静かに目を閉じた。
「昔は・・晋吾と出会う前はただ『普通』に生きていくだけで幸せだった。『普通』が俺の精一杯だったんだと思う」
そして懐かしむように月を見る。記憶の一番奥底にある月よりも欠けているが、それにも劣らない綺麗な月。
「でも今は、やりたいことが出来たんだ。行きたい道が出来たんだ。それを見つけることが出来た俺は、辿り着くかわからないけど・・」
先生を見る。多大なる感謝を込めて。
「幸せです。俺に、死に溺れて死にかけていた俺に、未来を見せてくれて、導いてくれて、ありがとうございました」
それを受けて魔法使いは笑顔を見せる。
「・・そう。頑張りなさい。・・・・それじゃ、行くわ。また逢いましょう?」
歩きだす。次に二人の道が、重なる瞬間を楽しみに。それぞれの道を―――
SIDE OUT
ロアの一件も落着し、美咲町にようやく平和が訪れた。と、思ったが、親が死んで野良になった死者がまだ彷徨いているらしい。
あのあとアルはとっても調子が良いらしく、俺がロアをやったんだからと、野良になった死者狩りを進んでヤル気になっていた。
まぁ、今のアルなら任せても安心かと思うので任せることにした。かなりの数が予想できるが、一週間もあれば終わるだろうさ。
アルには、日本に居るなら俺
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