『第三十話』〜本当の声〜
[3/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
すると、フェイトの眼から光が消えた。
「やめてよ!…!?」
なのはも気づいたか。プレシアの瞳から涙が流れる。
「フェイト。俺はさっき言ったよな?」
「……え?」
「意思を強くもて。今からプレシアの心の声を聞かせてやる」
そう言うと、フェイトの眼にわずかだが光が戻った。
「始めるとするか」
そういって私は一歩皆より前に出て、プレシアの眼を見る。
そして、足元に、ある魔法陣を展開する。これは、相手の魂の中に住む本当の感情を引き出す特殊な魔法陣。
まぁ、モニター越しに通じるかは不安だが……これは賭けだな。
「我 魂を操る者」
「ッ!?」
すると、プレシアが頭を抱え始めた。うまく通じたみたいだな。
「我 汝に問おう」
「う、くっ……」
「汝 その心真実にあらず」
「あ、あぁ、あぁあ!」
プレシアは何かに抵抗するように頭を抱える。
「心を開き 魂を開き 汝の真の声を彼の者へ届けろ!」
「アァアアアアアアアアア!!!??!?!?!?!!」
すると、プレシアの瞳の色が、赤色から紫色に戻り、
「ふぇ、フェイト、逃げなさい。こ、こに、来ては、ダメ!?」
「え……」
フェイトも動揺するだろう。いきなりわけのわからないことを聞かせられたんだから。
【ガァァァァァァァァァア!!!!!】
突然、プレシアの背後から黒い陽炎の様に姿が曖昧な異形が現れた。
【マタ、オマエカ。ナゼオマエハジャナヲスル?】
「た、拓斗、あれ、なに……」
フェイトが震えながらそう聞いてきた。
「あれが黒幕だ。しかし喋り出すとは予想外だ。予想以上に強くなっているか、または他の魂をとりこんでいるか」
【オマエハナニモノダ?】
「これは失礼した。俺の名は月詠拓斗。『死神』と言えばお前にも分かるか?」
【シニガミ……カリビトノタミカ……スベテシンダノデハナイノカ……?】
「なっ!? …そうか。お前は、あの時の生き残り……」
【オマエガ…イルカギリワタシガモドレルカノウセイハスクナイ……ココマデコイ……オマエガシネバワタシハイキルコトガデキル】
「お前は……アルハザードに向かい、そこで新たな命を得ようとでも言うのか!? そのための犠牲か!?」
【ソウダ……モウ、オマエトハナスコトハナイ。ダガ、ソノマエニオマエヲコロシテオコウ。マッテイルゾ】
そういってモニターが消えた。どうやらサーチャーが潰されたようだ。
「………」
「拓斗。母さんの言葉は?」
「最後のが本当だよ。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ