『第三十話』〜本当の声〜
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元世界の狭間に存在し、今は失われた秘術の眠る地の事よ」
リンディが説明してくれた。次元の狭間にある所……似たようなものを聞いたことがあるな。
「つまり、ジュエルシードを集めた理由は、その次元干渉能力を使ってアルハザートに行くという事か」
「その通りよ………でも、もういいわ………」
すると、プレシアはアリシアの入ったカプセルを愛おしい者をなでるようにゆっくりとなで、サーチャー越しにこちらを睨む。
「この子を亡くしてからの暗鬱な時間を…この子の身代りの人形に記憶を与えて娘扱いするのも……聞いていて? 貴方のことよ、フェイト」
「!?」
「え……」
フェイトとなのは驚いた。そりゃそうだろうな。フェイトは自分のことを娘として扱われていなかったことに、なのははそれを、友人を物扱いされたことに。
「フェイト……貴方はやっぱりアリシアの偽者よ。折角あげたアリシアの記憶もダメだった」
「ど、どう言う事なの!?」
なのはが疑問の声をあげる。
すると、エイミィが、
「以前、事故の事を話したよね? その時、プレシア・テスタロッサは実の娘アリシア・テスタロッサを亡くしているの。そして、彼女が最後に行っていた研究は使い魔とは異なる・・・使い魔を超える人造生命の生成。死者蘇生の秘術。その時の研究につけられた開発コードが……」
「そう、フェイト。プロジェクトF・A・T・Eよ。よく調べたわね。私の目的は、アリシアの蘇生、ただそれだけよ」
エイミィの言葉にプレシアが続く。
死者蘇生だと? 何を考えているんだ【邪】は!?
「死者蘇生なんて存在しない。死んだものは例外を除いて二度と生き返らない。それに使者を生き返らせることは禁術だ!!」
死者は安らかに天に召され、そこで蘇りの時を待つ。死者蘇生はそれを無視した非道な術だ。
「そうね……ちっとも上手くいかなかった。所詮作り物は作り物。アリシアの代わりにはならない。ただの偽物、贋作でしかないわ」
そう言ってフェイトに向ける視線には、明らかに嫌悪感と憎しみしか無かった。
「嘘だ! そんなの嘘だよ! だって、母さんは私の事……娘だって言ってくれた! そうでしょ母さん!?」
「バカなことを言わないで! 私の娘はアリシアだけ!」
「やめて……」
なのはが呟くが、当然その言葉はプレシアには届かない。
……もう我慢の限界だ
「私にとっての娘はアリシアだけ! フェイト、あなたはただ私がアリシアをよみがえらせるまでのお人形であり、私が必要とするモノを言われたとおりに集めるだけの駒。でも、もうあなたはいらないわ。どこへなりと消えなさい!」
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