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少年と女神の物語
第三十三話
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た武器ではないが、多少は崎姉に剣の使い方も聞いている。
 その教わったとおりにザババの双剣を使ってシヴァを切るが・・・

「ふぅん・・・あんたに影響がないなら、権能は消えないんだな」
「ほう・・・中々に頭が切れると見える。引け、ナインディン!」
「待てコラ!」

 シヴァの腕をつかんで逃げれないようにするが・・・そのまま腕を引きちぎり、ナインディンは引いていく。
 選択ミスったな・・・片腕なくした。
 が、代償にするにはつりあうだけのものも、手に入った。

「これで、ゼウス、蚩尤、オーディン、ザババが消えたか・・・」

 戦闘系の権能は全て使えず、他のこまごまとした権能だけが残った。
 使い方次第ではあるが・・・二人はもう別々に放れてるし、コイツも使い時だな。

「民の知は我が知。我が知は我が知。我はこの知を用いて叡智を手にせん!」

 そして、この周囲でこちらを見ている人間の、視覚情報を手にする。
 これで、俺の頭にはシヴァを前から見た映像と、左右から見た映像の三つが・・・

「なんだ、これ・・・」

 それだけが流れてくる、はずだった。
 だが、流れてくる映像は四つ。

「二度も戦場でほうけるとは、なっておらんぞ!」
「アグ・・・イッテエ・・・」

 その隙にシヴァから弓による攻撃を受け、もう片方のうでも取られる。
 何度も攻撃喰らったせいで治癒の霊薬もなくなってるのに・・・

 でも、なんで・・・シヴァの光臨と同時に、神殿の周りにいた連中は全員死んだはずじゃあ・・・

「フン、つまらん・・・()け、ナインディン」
「クソ・・・」

 意識がそれていたせいで反射的に避けてしまい・・・俺のいた背後、ゼウスで防いだ後ろ側に、まだ神殿の一部が残っているのを知り・・・

「え・・・」

 そこに、日本人とは違う、茶色っぽい色の肌をした少女が残っているのを、見た。

「クソッタレ・・・!」

 俺のせいで勝手に生き残ったのを、見捨てるつもりはない。
 本気で走り、大口真神の権能で植物のバネを作ってナインディンを追い越し、その少女に追いついたところで、視界がゆがんだ。

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