第六十話〜終幕〜
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ああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
いきなり医務室に木霊する絶叫。
その絶叫の元に目を向けると、そこはカーテンに仕切られている一角。ライは知らないがそこにはヴィヴィオが眠っていた。
「ヴィヴィオ!!」
「ッ!!」
シャマルの叫びで絶叫した人物を察したライは即座にカーテンに近寄り手をかけた。
そのままカーテンを開けようとするが、その前にカーテン越しに何かがライにぶつかってくる。
「つっ!!」
そのまま押し倒されるライ。突進してきた何かはカーテンにくるまる様になったまま、ライの上で藻掻く。いきなりのことに驚いたライであったが、今はそれどころではなく突進してきたであろうヴィヴィオを確認するために、邪魔なカーテンをとっぱらう。
カーテンをのけるとそこには予想通り、苦しんでいるヴィヴィオがいる。だが、その苦しみ方が妙であった。
両手で頭を抑え、焦点のあっていない目を見開き、歯の根が合わないのかカチカチと口から硬質な音が聞こえる。
怪我の痛みを訴えるような苦しみ方ではないため動揺するが、今はヴィヴィオの容態を確認するのが最優先と思考の冷静な部分が告げる。
動揺する意識をねじ伏せ、ライは起き上がり、ヴィヴィオをベッドに戻そうと彼女に触れる。
「!!ぐぁっ」
ヴィヴィオと接触したことがトリガーとなったのか、彼女に触れた瞬間からライの中に“それ”は流れ込んでくる。
男、女、子供、大人、老人、古人、現代人様々な人々の感情、意識がライの頭の中に潜り込んでくる。
いきなりの事で反射的にヴィヴィオから手を話してしまうライ。その彼の行動といきなりの苦悶の声に周りの3人は呆気にとられるが、ライ本人はヴィヴィオのこの苦しみの原因を理解した。
(集合無意識の流入?!でも何故?タイミング的にはゆりかごの破壊が原因か?だがそれがどうして――――!)
頭の中に浮かんでくる疑問の答えを考えていると、ライは1つの言葉を思い出す。
それはゆりかご内で聞いた機械音声。そのアナウンスで発した言葉の1つが思考の端に引っかかる。
『聖王による動力炉の確保』
文字通り受け取るのであれば、聖王であるヴィヴィオから魔力を取り出そうとしたと言う事実。ここまで思い出し、ライは1つの考えに思い至る。
(僕がしたのと同じようにCの世界からの魔力供給か!ヴィヴィオが今までなんともなかったのはゆりかごが意識の制御または受け皿をしていたから)
確証のない予測しか立てることのできないライは内心で歯噛みする。
(このまま放っておけば、ヴィヴィオが自分を見失う)
ヴィヴィオはまだ自我と
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