第六十話〜終幕〜
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まで既存の機体である。
ブリタニア製の機体設計では強度が問題になったが、インペリアルは違う。元々日本製の機体を作っていたラクシャータはパイロットの安全を第一に設計している部分がある。
そしてその成果として、機体の基礎フレームの頑強さと機体の持つ防御力が挙げられる。この2つの長所を練りこんだインペリアルは基礎フレームの段階で、平均的な機体強度を超えているのである。
「今更だけど…………とんでもない機体の制作を依頼した気がする」
そう呟きながらもライは機体を操作し、敵機を蹴りつけ1機スクラップにしていた。
アースラ
「え、あれ、どういうこと?!」
目の前で繰り広げられるある意味殲滅戦を、はやては傍らに帰ってきた幼馴染兼同僚に尋ねた。
尋ねられたなのはは取り敢えずヴィヴィオをそばに寝かせ、質問に答えた。
「さっきも言ったけど、ライ君がゆりかごの中で見つけて、攻撃目標を切り替えて同士打ちをするようになったスカリエッティの切り札だよ」
「そんな説明で」
「八神部隊長!」
「っ!」
なのはに叫ぶように返されてはやては一瞬ひるむが、そのおかげで落ち着いたのか彼女はため息を一つ吐いてどこか脱力した風に遠目には花火に見える戦闘の爆発に目を向けた。
「で、高町分隊長…………その切り札とやらは最後にどうなるん?」
「敵機を相手にした後、ゆりかごに戻って自爆する予定ですよ」
「ふーん。要救助者のゲスト1は?」
「今脱出中。あの機体がゆりかごに戻った頃に出てくるんじゃないですか?」
なんかもう考えるのを放棄したい、と言う態度のはやては内心「なんだかな〜」と先程までの自分の必死さをどこか虚しく思い出しながら、最後に呟いた。
「<機械仕掛けの神/デウスエクスマキナ>が終幕を飾るとか……三文小説かいな」
その言葉が終わらない内に、インペリアルが空の敵機の九割の掃討を終えていた。
その光景を目にし、はやての心の中にはどろりとした黒くて重い様々な感情がにじみ出る。それは彼に対する嫉妬であり、憧れであり、安堵であり、そして自分に対する蔑みであった。
自分では事態を好転させる手腕はなかった。部下も設備も揃っている状態でただ事態の把握で精一杯だった。
なのに、想い人はたった1人でほぼ全ての流れを掌握し、更には想定外の敵の増援さえも単機で押さえ込んだのだ。
言葉にしてしまえば誰も信じないであろう戦果を上げた彼に、はやては胸中で感謝と謝罪を同時に送った。
インペリアル・コクピット内
索敵センサーに自機以外の光点が映らなくなったのを確認し、ライはコクピットシートに体重を預けた。
「……終わったか」
思わず溢れた言葉に
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