暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルなのは〜優しき狂王〜
第六十話〜終幕〜
[3/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
るために深呼吸。

「さぁ、終わらせよう」

 その言葉と共にライは操縦桿を押し込んだ。
 それに応えるようにインペリアルは背中の一対八翼のエナジーウイングを動かす。傍から見ていればそれは機体が翼を動かしたようにしか見えなかった。それ以上、その機体が何をしたのか見えなかったのだ。何故なら翼を動かした瞬間、その場から掻き消えるように高速で移動を開始したのだから。
 コクピットシートに身体が押し付けられる感覚。それを受けながら、ライは外部カメラとセンサーが捉えた敵機の反応を映し出すモニターを凝視する。映し出された機影は空戦仕様の敵の増援。
 モニターに映る情報を見、判断し、右手と左手がそれぞれ別の命令を機体に下す。
 敵の索敵レンジに飛び込むように切り込み、両手と腰の左右にそれぞれ装備されているハーケンブースターを起動させる。
 4機のハーケンそれぞれが目標に向かって伸びる。ハーケンは敵機の頭部とコクピットブロックを正面から貫く。その内、コクピットを突き刺したハーケンは右腕。ハーケンを伸ばした状態でライは右腕を力任せに振り回し、残骸と化した機体を別の機体にぶつける。
 元々陸戦兵器であるナイトメアに間に合せのフロートユニットを付けただけの第五世代前後の機体はそのままバランスを崩し、墜落していく。
 ほぼ同時に5機のナイトメアを無効化したライは再び苦笑いを零した。

「……機体スペックと中身に違いがあるとは言え…………一方的だ、なっ!」

 射程圏内であると認識してきたサザーランドタイプの機体群が、アサルトライフルの弾をばら撒いてくる。
 即座に機体に回避行動を取らせ、一旦距離を取ろうとした。
 だが、それを阻止するようにインペリアルの進行上に、近接武装である剣を振りかぶったランスロットタイプが迫る。
 ライはその接近に気付いた瞬間、即座に新しくコマンドを入力。
 インペリアルはそれに回避行動時の飛行速度から一気に加速し、ランスロットの懐に半身を向けるように飛び込む。
 飛び込んだ瞬間、機体は左腕の肘部分を突き出すようにランスロットのコクピットに向けていた。ランスロットにトップスピードで左肘をぶつけた瞬間、ライはトリガーを引く。
 すると、機体の肘部分から収束されたシールドエネルギーがコクピットを貫き、敵機が爆発を起こす。機体が爆発する前に離脱したインペリアルは、先ほどのお返しとばかりに機体を回転させながらエナジーウイングから刃状の光弾をばらまき、今度こそ離脱する。
 ライが使用した近接武装は第七世代以降の機体に実装されたニードルブレイザーである。
 この武装は基本的にトップスピードで肘をぶつける様な代物ではない。そもそもそんな事をしては、良くて機体の基礎フレームが歪み、最悪その腕自体が自壊する。
 だが、それはあく
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ