第五十話「過去編・封鎖完了」
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壁には、3つの制御盤が取り付けられていた。
「あれだ、あの制御盤だ」
制御盤をよく見ると、一番下にガラスに覆われた赤いボタンがあった。
ボタンの下に、日本語で「フロア封鎖」と表記されている。
ボタンの横には、1〜9までの数字が正方形に並んでいる。
「パスワードが必要か………」
ヴェールマンはボタンを覆うガラスをコンコンと指で軽く叩く。
当然、簡単に破られないよう、強化ガラスでできていた。
おそらく、銃弾を撃ち込んでも壊れないだろう。
「パスワードは必要ありません」
ヴェールマンがブランクの方を向くと………右の拳を構えるブランクがいた。
まさか、と思った時にはもう遅かった。
ブランクは拳を強化ガラスに勢いよく叩きつけた。
銃弾をも防ぐ強化ガラスは、適合者の拳によって粉々に砕けた。
「適合者の腕力は便利だな」
「こういう時はそう思います。司令の人選は正しかったですね」
「ハハッ、そうだな」
ブランクが赤いボタンを押した。
すると、フロア全体に警報が発令された。
『装甲車両整備・格納フロアで、封鎖信号を確認しました。300秒後に地下6階全域を封鎖します。
地下6階にいる職員は、速やかに地上に退避してください。繰り返します。装甲車両整備・格納…………』
周囲にうるさいほどのブザーが鳴り響き、壁から大きな機械音が聞こえてきた。
「よし、これで地下6階は封鎖できた」
「これで、感染拡大は防げそうですね」
「いや…………念のため、地下3階も封鎖しよう。二重の壁があった方がいいかもしれない」
「了解」
2人は非常階段を見つけ、一気に駆け上がった。
その3分後、地下6階の壁はスライドし、全域が封鎖された。
ブランクが投げ、黒煙を上げていた装甲車両は炎上し、その後爆発を起こした。
装甲車両から出た炎は、格納フロア内のガソリンや別の装甲車両に次々と引火し、爆発は一気に広がった。
この爆発で、突然変異種は全て焼死、または爆死し、コープスウイルスが活性化した。
しかし、コープスウイルスが外に漏れ出すことはなかった。
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