破滅の行進
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は少し躊躇うような表情を浮かべ、すぐに覚悟を決めたように前を見据えた。
「ヴィーテルシアさん、お願いがあります」
「何だ?」
「ナツさんの所まで私を連れていって下さい」
ヴィーテルシアの紫色の目が見開かれた。
「何を・・・!まさか戦闘に混ざる気か!?」
「はい」
力強く頷く。
ウェンディのように少し気弱な少女は、力強く続けた。
「私だって滅竜魔導士です!ブレスとちょっとの攻撃くらいしか出来ないけど・・・皆さんの役に立ちたいんです!」
その言葉にヴィーテルシアは視線を下げ、小さく溜息をついた。
魔法陣が展開し、ヴィーテルシアの背中から身の丈を超える大きさの翼が生える。
「乗れ。生憎だがハッピーのような姿は個人的に変身したくないのでな、戦いにくかろうがこれで許せ」
「あ、ありがとうございます!」
ココロはもう慣れたようにヴィーテルシアに跨ると、ウェンディとアランに目を向ける。
「それじゃあ・・・行ってくるね」
「頑張って!」
「気を付けて!」
「無茶はしちゃダメよ」
「うんっ!行きましょう、ヴィーテルシアさん!」
「了解だ!」
バサッと音を立てて翼をはためかせ、ココロとヴィーテルシアはナツの下へと向かっていく。
それを見送った3人は顔を見合わせた。
「ココロってば・・・大丈夫かしら」
「大丈夫だよ。ココロちゃん強いし」
「ヴィーテルシアさんもついてるし・・・心配はいらないんじゃないかな?」
「・・・そうね」
ウェンディとアランの言葉にシャルルは頷き―――――――
「!」
何かに気づいたように、目を見開いた。
「!?どうしたの、シャルル」
「何かあった?」
ぶるぶると震えながらてくてく歩いていくシャルルを見て顔を見合わせ、ウェンディとアランは声を掛ける。
「ま・・・まさか・・・偶然よね!?そんな事あるハズ・・・」
「どうしたんだよシャルル。説明してくれないと解らないって」
アランが困ったように言うと、シャルルは声を震わせながら呟いた。
「この方角・・・このまままっすぐ進めば・・・」
ニルヴァーナの進む先。
それをしっかりと見据え、シャルルは言い放つ。
「化猫の宿があるわ」
「「え?」」
言い放たれた言葉に、2人は呆然と目を見開いた。
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