ヘルヘイム編
第7話 ヘルヘイムの森の奥
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
トからロックシードを取り出した。まさか戦う気なのか。仲間のはずなのに。
だが咲の恐れに反し、光実が出したのはロックビークル用の錠前だった。
光実が錠前を放るや、ローズアタッカーが展開される。
「咲ちゃんは、クラックの向こう側が“どこ”なのか考えたことはある?」
「森でしょ」
「それもあるけど、もっとスケールを大きくして。あそこはそもそも地球のどこかなのか、全く異なる惑星なのか。過去なのか、未来なのか、パラレルワールドなのか」
「んと……バクゼンと、アマゾンあたりかなあって思ってた。よくわかんないけど」
光実が苦笑した。笑わないでほしい。小学生にとって森といえばアマゾンか富士の樹海なのだ。
「実はね、そこんとこはユグドラシルでもはっきりしてないんだ」
光実は咲にヘルメットを渡した。咲がそれを着けると、後部座席に乗るよう促される。
咲はロックビークルの後ろに跨って、光実の腰に掴まった。異性と密着がどうこうと言っている場合ではないくらい、クラックを越える時のツイストは激しいのだ。
案の定、ローズアタッカーは発進するなり、大きくツイストしてヘルヘイムの森へ抜けた。
森に着いてからも光実はローズアタッカーをそのまま走らせた。左右の景色が後ろへ過ぎ去っていく。
崖際らしき場所まで来て、ローズアタッカーは停まった。
眼下に広がる光景を見て、咲は愕然とした。
「ただここには確かに、一つの文明があって、人間だって住んでいたんだ」
それはヘルヘイムの植物に覆い尽くされた、都市らしきものの残骸だった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ