世田谷東署落ちこぼれ事件簿1−3
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旦那の実家岡本とは正反対。太子堂は近くに賑やかな三軒茶屋の繁華街がある場所で、太子堂は世田谷の下町だ。太子堂商店街の中程にあるその家は、一階が店舗で二階が住居の商店街の典型的な建物だ。
二人は同じ商店街の精肉店に入った。
「警察?魚金さんちに何かあったの、お嫁に行った順子ちゃんは病気で亡くなっちゃうし、少し前まで休業してたのよ。それでね・・・あッ」
「それで」
山本刑事は詳しい話を聞こうと身を乗り出した。
「ご近所の余計な事言いっちって、父ちゃんに怒られちゃうよ」
女将さんは山本刑事を無視して仕事を始めようとした。
「美味しそうだな、僕コロッケ大好きなんですよ」
山本刑事は、こんな時に何を言い出すのだ聞き込み中だぞと呆れ顔で純平を見た。
「あんた分かってるね。ひとつどう、うちのコロッケはお客さんに評判いいのよ。うちの一番の売れ筋」
女将さんは純平にコロッケを一つ袋に入れて手渡した。
純平は直ぐにコロッケにかぶり付いた。
「美味しーです。ころもがサクサク中はホクホク!学校帰りによく食べたなー」
「あんた食べっぷりがいいね。うちのコロッケも部活帰りの学生さんがよく買っててくれるんだよ」
「美味しかった、おいくらですか」
「いいわよ、サービスサービスよ」
「それで、さっきの話ですが、どんな事なんですか」
「大きな声じゃ言えないけど、順子ちゃん玉の輿だったからね」
「何かトラブルでもあったのですか」
「トラブルなんてそんな訳ないでしょ。人当たりはいいし、いつもニコニコで、親孝行でいい子だったんだから順子ちゃんは。旦那さんの親御さんも気さくでいい人で、トラブルなんてあるわけないわよ」
「商売の方は」
「それは大繁盛とは・・・どこも一緒。魚金さんはお客さんに美味しいて評判いいんだから」
商店街の他の店でも話を聞いたが、両親に関わる悪い話は出て来なかった。しかし、その中で引っ掛かる話が出て来た。
「妹さんがねー。うちの娘が同級生でさ・・・」
「何か問題でもあるのですか」
「茶ぱつで暴走族のね」
1−4に続く
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