第72話 第2次ダゴン星域会戦 その1
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なか、総旗艦レーゲンスブルクから通信が来た。
ラインハルトが通信に出ると、メルカッツ提督自ら連絡をしてきていた。真面目に敬礼するキルヒアイスと一応敬礼するラインハルト。それに対して答礼するメルカッツ達。挨拶が終わるとメルカッツ提督が口を開いた。
『ミューゼル提督、今回の件で卿に頼みたいことがある』
メルカッツの言葉に、ラインハルトは厄介事を押し付ける気かという顔が多少現れるが、それを隠して質問する。
「小官に頼みとは?」
『卿も判っているだろうが、叛乱軍の動きは間違えなく、我々をダゴンへ引きずり込み包囲殲滅戦を仕掛けるつもりだろう』
ほう、メルカッツもやるものだと、ラインハルトは感じた。
「小官もそう考えます」
『其処で、我々はそれに易々と乗るわけには行かないのが現状だ。其処で突出した艦隊を呼び戻すために一個艦隊を送ることにした』
なるほど、俺の艦隊を捨て駒にする気か、所詮メルカッツもこの程度の男かとラインハルトは内心で怒り始めたが、顔には出さずに話し続ける。
「つまり、あの艦隊を呼び戻すために私の艦隊を向かわせよと言う訳ですか」
その言葉に、メルカッツは細い眼を更に細めて否定する。
『いや、呼び戻すために向かうのは小官が向かうことにする。卿には残存艦隊の指揮と、イゼルローン要塞との連絡線の確保に努めて欲しい』
メルカッツの言葉に、さしものラインハルトも驚きを隠せない。
「副司令長官閣下、その様な危険なこと、大丈夫なので有りますか?」
『なに、今回の遠征自体を断れなかったのは、小官の不徳の致すところだ。本来であればあと一年訓練に充てたかったが・・・・・・それが今回の突出を招いた以上、小官が責任を取らねばならんのだ』
普段尊大なラインハルトも殊勝な顔で話すだけである。
「閣下」
『卿には、不測の事態の際、残存艦隊の指揮権を預ける。なに、やんちゃ坊主共にお仕置きして、連れ帰るだけだ』
「閣下」
『三時間後に出発するので、頼むぞ』
「はっ」
ラインハルトとキルヒアイスは、自然と確りとした敬礼を行っていた。
帝国暦486年 3月16日
■銀河帝国遠征軍 総旗艦レーゲンスブルク
ミューゼル提督と会話を終えたメルカッツ提督が側に居るメックリンガー中将に向き直した。
「さて、中将、聞いての通りだ。準備はどうか?」
「はっ、ご命令通り、後三時間で発進可能です」
「宜しい、私の艦隊に乗って貧乏くじを引かせてしまうかも知れないな」
「閣下、その様な事は有りません」
「冗談だ」
帝国暦486年 3月17日メルカッツ提督率いる15,000隻の艦隊はティアマト星系を出発した。行き行く先で何が起こるのか、彼等の運命、それは満天に輝く星の群れしか判らないのだろ
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