第72話 第2次ダゴン星域会戦 その1
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■銀河帝国遠征軍 総旗艦レーゲンスブルク
「ビッテンフェルト艦隊、直ちに引き返せ!」
「ブラウヒッチ艦隊、応答せよ!」
「エルラッハ艦隊、帰還せよ!」
総旗艦レーゲンスブルクでは突出した艦隊に帰還命令を続けて居たが、妨害電波の影響なのか次第に連絡が途絶え始めて来ていた。宇宙艦隊副司令長官メルカッツ提督と総参謀長メックリンガー中将が苦い顔をしながら話し合っていた。
「参謀長、不味いな」
「はい、この状態ですと、敵の罠にはまる可能性が出てきます」
「やはりそうなるか」
「しかし、見捨てるわけにはいかんだろう」
「閣下、しかしそれではみすみす敵の罠にはまりに行くのですか」
「一個艦隊を持って敵に一当たりして急速反転離脱をさせる」
「どちらの艦隊を充てるのですか?」
「当艦隊を持って迎えに行くしかない」
「しかしそれは、ミューゼル提督の艦隊を向かわせた方が宜しいのでは?」
「ミューゼル提督は未だ若い、彼等が言う事を聞くと思うか?」
「それは」
「儂の威厳の無さが、今回の突出を招いた以上は責任を取らねばならんからな、皆には貧乏くじをひかせる事になってすまん」
「閣下」
「ミューゼル提督にはティアマトで後方からの支援をして貰うつもりだ」
「はっ」
帝国暦486年 3月16日
■銀河帝国遠征軍 ミューゼル艦隊旗艦タンホイザー ラインハルト・フォン・ミューゼル
ビッテンフェルト、ブラウチッヒ、エルラッハ達がトチ狂ったかのように敵艦隊を追撃していったが本隊は待機を命じられた状態で必死に突出した艦隊に帰投命令を出してはいるが、妨害電波の影響か連絡が着かなくなってきているとのことだ。
「キルヒアイス、やはり此は罠だな」
「まず間違えなく」
「やはり此処は、あの艦隊を諦めて帰投するのか」
「メルカッツ提督にしてみれば断腸の思いでしょうが、それが最善の方法かと」
「俺に言わせれば、敵はダゴンの死滅戦再びだろう、それならば敵が集結する前に全戦力を持って各個撃破を行えば、此方の損害は殆ど無く敵を壊滅させられるのだが」
「ラインハルト様なら、そうなさりますね」
「俺に指揮権があれば、間違えなく帝国軍の大勝に出来るものを、メルカッツでは駄目だ、愚直でしかない」
「メルカッツ提督にもお考えがあるのでしょう」
キルヒアイスは優しいな。しかしその優しさは、俺と姉上だけで良いんだ。
「兎に角、此方としても今の状態では動きようが無いからな」
「仰る通りです」
「さて、メルカッツの老いぼれはこの事態をどう対処するかな」
「ラインハルト様!お声が大きいです」
「判っている。遮音力場でお前にしか聞こえないから、言っているだけだ」
全くと、キルヒアイスが溜息をつく
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