第72話 第2次ダゴン星域会戦 その1
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
宇宙暦795年 帝国暦486年 3月16日
■自由惑星同盟 ダゴン星域 同盟軍総旗艦ペルーン
「第1遊撃艦隊、作戦通りダゴン星域へ後退中。敵追尾艦隊凡そ6,000隻」
オペレーターの声がペルーン艦橋に響き渡る。
「6,000隻かまずまずの量だな」
「追尾艦隊の後方から他の艦隊は来てないのか?」
参謀がオペレーターに確認を取る。
「今の所、それらしき兆候は無いそうです」
「まあ、36,000隻の六分の一を引き寄せただけでも御の字といえるでしょう。今の銀河帝国軍には6,000隻でも打撃は大きいわけですから」
リーファが面白く無さそうにボソッと呟くように話す。
それを聞いた、ボロディン大将とコナリー中将が顔を見合わせながらリーファに質問をする。
「准将、何やら含むところがあるのかな?」
それを聞いたリーファが手を振りながら答える。
「いえいえ、不服は無いんですけどね。敵さんの猪突猛進振りを見てもうホンの少し早く引きずればよかったかなーと思いまして」
「それは何故かね?」
「敵はどうやら、イゼルローンヘ一旦引き上げる準備をしていたようでして、その準備中に嫌がらせの挑発をしたらもう少し多くの敵が乗ってきたのでは無いかと思いまして」
ボロディン大将とコナリー中将もそれに納得したのか、しきりに頷いている。
「まあ、お客さんは少ないですが、態々来て頂けるのですから、それなりのお持て成しをして差し上げないと失礼にあたりますね」
リーファの言葉に艦橋内で苦笑が起こる。
「第1遊撃艦隊はどの程度で到着する予定か?」
「ダゴン星域まで後3日程で到着する予定です」
「うむ、準備万態整える訳か」
ボロディン大将、コナリー中将がお互いに頷き合う。
「よし、ウランフ提督に連絡、『猪はホイホイにかかりつつあり』とな」
「はっ」
宇宙暦795年 帝国暦486年 3月16日
■自由惑星同盟 アルレスハイム星域 第10艦隊旗艦盤古
「ウランフ提督、第12艦隊より連絡です、『猪はホイホイにかかりつつあり』以上」
「ふむ。ボロディン提督の方は旨く行っているようだな」
「その様ですな」
ウランフ大将とチェン中将が話し合っている。
「そうなると、此方の出番は相当後になりそうだな」
「敵艦隊の数が6,000隻程度です。ティアマトに残留している30,000隻とイゼルローン要塞駐留艦隊15,000隻を合わせれば45,000隻ですので、当方の第3艦隊、第10艦隊の30,000隻では数において劣ります」
「此方とて、無謀な戦闘は本意ではないからな」
「確かに」
「まずは、敵艦隊の動きを慎重に見極めつつ準備を怠らぬように」
「はっ」
帝国暦486年 3月16日
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ