第九十一話 戦いでも得られないものその九
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いると」
それでだというのだ。
「家族が喜んでくれるから」
「ここでも家族なのね」
「僕はそうだよ」
「家族の笑顔が見たいのね」
「人は顔は覚えているものだから」
心の中に残る、そうしたものだからだというのだ。
「家族の顔は特にね」
「そして笑顔もまた」
「家族は人間だから絶対に何時かはいなくなるよ」
人は死ぬものだ、そして去るものだ、コズイレフにしてもこの絶対の摂理はわかっているのだ。だがそれでもなのだ。
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