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八条学園怪異譚
第五十七話 成長その十三
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「それが私達をなのね」
「成長させてくれたんですね」
「人との出会いは大事よ」
 愛実はその二人に微笑んで今も話した。
「それがいい方になるのか悪い方になるのかはわからないけれどね」
「私達はいい方になったんですね」
「そちらにですね」
「そう思うわ。偏見とかもね」
 人間には必ずある、残念ながらそうである消せずとも弱めていくべきそれもだというのだ。
「かなり小さくなってきたんじゃないかしら」
「人種とか職業への」
「そういうのですね」
「世の中色々な人がいるけれど愛実ちゃんだってどんなお客さんが来ても中学の時よりずっと自然に応対出来ているから」
 愛実の店の中での接客も見ての言葉だった。
「そういうのを見てるとね」
「偏見とかもなのね」
「かなり改善されていますか」
「聖花ちゃんもよ」
 彼女もだというのだ。
「こっちに来ている時にそういう人を見ても中学の時よりもね」
「ずっと自然ですか」
「そう思うわ」
 彼女にしてもだというのだ。
「色々ないい人に出会えたら偏見は小さくなっていくのよ」
「人は色々な人がいるってことがわかるから」
「だからですよね」
「特定の国の人や人種や職業や住んでいる場所とかじゃわからないわよ」
 人間というものは、というのだ。
「そんなことはね」
「ですよね、そんなことは」
「とても」
「そうよ、わからないものよ」
 こう二人に話す愛子だった。
「むしろそうした偏見を持っている人こそが問題でしょ」
「ですね、確かに」
「そうした人の方が」
 二人も愛子のその言葉に確かな顔で頷いた、そのうえで自分達の前にある饅頭を食べてそしてこう言うのだった。
「問題ですよね」
「ネットとかでもいますけれど」
「ああした人になったらね」
 愛子もネットでよく見られるそうしたやからには否定的に言った。
「よくないからね」
「ですよね、やっぱり」
「そうなる方が問題ですね」
「ネットは役に立つけれど落とし穴も多いのよ」
 そうした世界だというのだ。
「ちょっと油断したら落とし穴に落ちてね」
「ああなるのね」
「下品な書き込みばかりしている人に」
「そう、なるから」
 だからだというのだ。
「気をつけてね」
「そうよね、本当にそうした書き込み多いわよね」
「ネットはそうですよね」
「ああいうのは匿名だから」
 厳密に言うと匿名ではない、それは表に出ているものだけが匿名であり実際はIP等から運営側にはそれが誰かある程度わかる様になっているし警察はそこから特定個人を割り出せる。だから殺人予告等は逮捕されるのだ。
「それをいいことにして書き込みから」
「そういうの卑怯っていうか」
 愛実は眉を顰めさせて兄に言った。
「何ていうか」
「嫌なもの
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