ストライカーズ編!
同じ
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離をとってから中距離魔法を放つ。
「はぁ・・・なんか冷めるな、ソレ」
そう呟き、日本刀を軽く振るう。
それだけの仕草にわたしの魔法はかき消された。
「駆けろ隼!」
夏希は目にも止まらぬ速さで斬りかかってくる。
さっき魔法をかき消されたことに少なからず動揺していたわたしは一瞬反応ができずにその攻撃を喰らってしまう。
「きゃぁッ!?」
その攻撃は速さだけでなく重みもしっかりとあり、平均より少しだけ小さいわたしの身体は後方へ飛ばされてしまった。
少しすると壁にぶつかり止まる。
が、ぶつけた背中が痛んで上手く立ち上がれない。
「拍子抜けだったな。所詮、オリジナルなんてそんなものか」
夏希はそう言って日本刀を仕舞い、メガネを掛ける。
そのままわたしの方を振り返らずにどこかへと歩いて行ってしまった。
目を開けると、そこには涙を流す両親の姿があった。
自分を優しく抱きしめてくれた。
愛を教えてくれた。
でも、自分は周りとは違った。
普通は見えないはずの、遠く離れた場所。そしてありもしないモノが見えた。
しかし、そんな自分を両親は愛してくれた。
どこからどう見ても、最高の、自慢の両親だった。
でも、結局は偽物だった。
すべてが、偽りだった。
ある日、家に白衣を来た大人がやって来た。
その人は言う。
「約束通り、ソイツを寄越せ」
両親は言う。
「結局はアンタは化物で、偽物。自分たちにはいらない」
そう、偽物だった。
優しさも。
暖かさも。
両親も。
愛も。
そして、自分も。
白衣の大人に引っ張られている最中だった。
彼はやってきた。
自分から大人を離れさせ、そしてまだ小さな自分を抱き上げる。
倒れる両親と大人を背に、彼は来た道を戻る。
連れて行かれた先には自分と同じ少年。
偽りでも、偽物でもない、本物の愛を自分にくれた。
本物の心をくれた。
本物の自分をくれた。
だから。
ドクターも、アイツらも、オレにとっては命の恩人だ。
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