暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
序章  はじまりの街にて
10.本当のGAME START
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うに群がっていって……ブツブツ」
「あはは……。でも、キリュウさん。チマの言う通り、あの人たち弱いモンスターを倒すことに必死で自分たち以外見えていないって感じでした。確かにあたしもちょっと……ですね」
「ちゃんと親切な人もいるにはいると思いますが……やっぱり人が集まりすぎると……」

 ――ふむ、そうだな。三人の言い分は一理ある。

 人が集まればその分トラブルも増えるだろう。
 更にこの先、団体で攻略に乗り出すとすれば、命令系統も作らざるを得ない。つまり、自由には動けなくなる。それは……困るな。
 思考の末の結論を行動をするのが俺のやり方だ。その行動を制限されるのはやはり困る。
 結局俺たちはその集団には入らず、放置することにした。
 だが、街周辺のモンスターを手当たり次第狩られるのには参った。
 数少ないモンスターの取り合いをするというのも効率が悪い。
 俺たちは仕方なく、一週間と定めた準備期間を一日早め、明日の早朝にはじまりの街を出発することにした。







 そして、翌日。
 俺たちが街を出発するときが来た。

「……全員、準備は出来たか?」

 ここは、はじまりの街の《北東ゲート》。俺たちは今そこにいた。
 街のNPCに話を聞いたところ、北東ゲートから伸びる街道沿いをずっと行けば、とある小さな村に辿り着くらしい。なので、俺たちの最初の目的地はそこにした。

「はい! ばっちりです!」

 街への出入り口となっている巨大な門の前で、俺たちは最後の確認をしていた。

「……武器、防具」
「大丈夫ッス! 昨日直してもらったばかりッスから、耐久値MAXッスよ!」

 心なしか、三人も興奮しているように見える。

「……道具は?」
「はい。テントから食べ物まで、回復ポーションも解毒ポーションもたっぷりです」

 今日まで俺たちは様々な準備をしてきた。
 三人はだいぶ戦闘に慣れたし、ソードスキルを使った連携も出来るようになった。
 そして俺自身も、このSAOのシステム的なものにかなり慣れた、と思う。
 まあ、未だにソードスキルは苦手なのだが……。

「……よし」

 それでも、十分に準備はした。あとは、実際に冒険をして経験を積んでいくしかない。
 今の俺は弱い。それは認識した。
 強くなるにはどうすればいいのか、それはあの日からずっと考えてきたことだ。
 レベルが上がれば強いと言えるのか? ゲームを攻略すれば克服したと言えるのか?
 解らない。このゲームをクリアすれば、少しは克服出来るとも考えたが、それだけではダメな気もした。
 だから、この三人を守り抜き、なお且つ元の世界に戻れたのなら、少しは強くなれているのではないかと、今はそう思う。

「……
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