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SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
序章  はじまりの街にて
10.本当のGAME START
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はそれをルネリーに渡した。ルネリーはSAOでの数ある武器使いの中では盾剣士志望らしい。前線で仲間を守るポジションにいたいのだと言っていた。俺はその想いを尊重した。ならば、現在一番防御力の有る装備を着けさせて、今からそういった戦い方に慣れさせた方がいいだろうと考えて、ルネリーに渡したのだ。

 ちなみにチマは両手剣志望らしい。色々な鬱憤を剣に乗せて豪快に敵をなぎ倒したいと叫んでいた。
しかし、《両手用直剣》スキルは《片手用直剣》スキルの派生らしく、つまりはもう少し片手剣を使う事となるみたいだ。
 レイアは特に希望の武器はないらしい。だがそれも仕方ないとも言える。
 この世界がただのゲームであったなら、ゆっくり探すということも出来たかもしれないのだが……。
 暫くは今まで通り、三人とも使いなれた初期装備の《スモールソード》を使うという事に落ち着いた。

 そして、俺以外の三人もクエストはいくつかこなしていたみたいで、訓練で手に入れた素材アイテムの売却も含め結構な所持金を手に入れた。その金も使って、旅において必要な装備や道具を揃えたのだった。







 そうして俺たちが準備を進めていく中、はじまりの街も変わっていった。
 いや正確には、はじまりの街に滞在していたプレイヤーたちが変わっていったのだった。
 最初に変化に気付いたのは準備期間二日目の戦闘訓練のとき。
 俺たちの他に街の外でイノシシや巨大イモムシと戦っているPTが数集団いた。
 そして、その集団は日を増す毎に増えていった。

「……しかし、これでは満足に戦えもしないな」

 準備期間五日目の今日、俺たちはいつものように戦闘訓練をしていたのだが、正午を過ぎた辺りから石を投げれば当たるほどにその集団は増えていた。
 草原のあちらこちらでモンスターと戦うPTの姿が見える。

「何か、聞いた話によりますと、なんとかーって人がみんなで立ち向かえばモンスターも怖くないんだーって言って、集団で安全にモンスターを狩って、それで得たお金で戦えない人たちも含めて平等に食糧とか寝る所とかを援助? する活動を始めたらしいです」
「援助だけじゃなくて、このSAOの攻略も視野に入れていると聞きました。多分、私たちみたいに有る程度レベルを上げてから数で押していくのではないかと……」

 ルネリーの情報にレイアが追記した。
 しかしなるほど。多人数を使った人海戦術は全ての戦いに等しく効果的だ。
 確かにそのグループに入れば危険は減るかもしれない。
 そう俺が言うと、

「えー、わたしは何かいやッス。あの人たち」
「あたしもかなぁ」
「……どうしてだ?」
「なんて言うか、感じが悪かったッス。確かに必死なのは解るッスけど、こっちが先に目を付けてた獲物まで奪うよ
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