SAO編
序章 はじまりの街にて
10.本当のGAME START
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方の指導の最中、俺はふと思い出したことを三人に聞いてみた。
「……そういえば、お前たちはスキルスロットはもう埋めたのか?」
この三日間、俺はこの三人に戦い方をずっと教えて来たが、ゲーム的なことを話したことは無かった。
今まで忘れていたが、このSAOというゲームを本気で攻略するとすれば、そういう部分にも慣れなければいけないだろう。
そこは俺の準備期間中の課題とも言える。
「スキルですか? ああ、それならちょっと前に三人で話し合って決めました」
「あれ? ネリー、あなたがキリュウさんに話しておくって言ってなかったっけ?」
「え? …………ああっ」
「…………」
話を聞くと、以前俺のスキルスロットの話をした後、寝る前に部屋で三人話し合ったらしい。
これから俺たちは四人で街の外に出る。……三人は《冒険》と言っていたが。
三人が話し合ったのは、その冒険で必要そうなスキルを、四人で分担しようというものだった。
俺は《両手用長槍》と《索敵》をスロットに入れてあるとの話はした。
だから三人は、自分のスロットの一つを、今までの戦いで慣れた《片手用直剣》で埋めて、残りを何にするかで悩んだらしい。
そうして決まったのが――
ルネリーは《識別》スキル。視認したモンスターの情報を知ることが出来るスキル。
レイアは《測量》スキル。自分の移動した場所をマッピング出来るスキル。
チマは《鑑定》スキル。モンスターがドロップした正体不明のアイテムを鑑定できるスキル。
ということになったらしい。
何をなすにもスキルが重要なのがこのSAOの仮想世界だ。使えるスキルが多いに越したことはない。
しかし、俺が感心したのはこれだけでは無かった。
「あ、そうだ! キリュウさん、キリュウさんっ。ちょっと見てて下さいね!」
「……?」
ルネリーは説明も無く俺にそう言うと、そのまま剣を構えたまま近くを歩いているイノシシに斬りかかった。
「やあああ!」
気合の籠った声とともに降り下ろされる剣。それはいつもと同じ……ではなかった。
「……!」
ルネリーの剣は淡い水色の光を放ちながら、普段よりも一層鋭い袈裟切りがイノシシに直撃した。
そう、それは《ソードスキル》特有の輝き。
ルネリーはイノシシにソードスキルを放ったのだ。
レベルが上がり、筋力や敏捷力が僅かばかり上がったとしても、彼女らでは一撃で倒すことは出来なかったイノシシは、その一撃で光へ還った。
「えへへっ、どうでした? どうでした?」
褒めて欲しいと言わんばかりに笑顔でこちらに駆けてくるルネリー。
聞けばレイアやチマも、片手剣の基本剣技は出来るように、自由時間を使って練習したらしい。
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