SAO編
序章 はじまりの街にて
10.本当のGAME START
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、簡単に無力になってしまうんだということを。
認めよう。俺は祖父以外にも恐怖する、してしまうんだということを。
俺は、自分で思っているよりも弱かった。弱いと再確認させられた。
だが、一つだけ認められないものがある。
それは――俺がこのまま弱い自分で居続けるということだ。
それだけは、絶対に認める訳にはいかない。
俺は強くなる。あの無力感を二度と味わう事がないように。
だから俺は、改めて決意した。この現実を、絶対にクリアするということを……。
そうすれば、あのとき感じた恐怖を克服することが出来ると、そう信じた。信じ込んだんだ。
「…………」
でも今は、今だけはそれは置いておくことにする。
「……ルネリー、レイア、チマ」
「は、はい」
「なんスか?」
「ど、どうしました」
俺は三人を抱きしめるように腕を回した。
「ほえぇ!?」
「な、な、な、何事ッスかっ!?」
「〜〜〜〜っ!?」
俺の腕の中で体を強張らせる三人。
当然だろう。いきなり昨日知り合ったばかりの男にこんなことをされているのだから。
でも、俺はどうしてもこうしたかった。伝えたいことがあったから。
恐らく小さすぎて聞こえないかもしれないから、なるべく近くで聞いて欲しかった。
「…………三人、とも……生きていてくれて……ありがとう……っ」
あの暗闇から帰ってきたとき、俺は確かにこの三人に救われた。三人が生きていてくれたことが嬉しかった。その気持ちを、三人に伝えたかったんだ。
このとき俺は、かすれた声しか出せなかった。
だが、三人にはちゃんと届いてくれたようで、俺たちはしばらく四人で無言で寄り添っていた。
それから五日が経った。
あの後、俺は三人に今後は本格的にSAO攻略に出たいという旨を話した。
三人は俺に付いて来たいと言ってくれた。
俺は、この三人を必要以上の危険に付き合わせることに拒否感があったが、攻略を行いたいという自分の想いと、三人の助けになるという決意を合わせて考えた結果、一緒に行くということになった。
そうして街を出ることを決めた俺たちは、その日から一週間を準備期間として、はじまりの街を出発するための準備に取り掛かった。
準備期間中、朝六時から午後三時までを街の周辺での経験値稼ぎに当て、残りを自由時間として各自で旅の準備をしたり、街の情報収集に努めた。
そのお陰もあって五日経った現在では、ルネリーたち三人は全員レベル4に上がっていた。
その上更に、三人は俺も驚くほどの成長をしていたのだった。
それを知ったのは準備期間三日目の正午のことだった。
いつものように街の外周の草原での経験値稼ぎと戦い
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