SAO編
序章 はじまりの街にて
10.本当のGAME START
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りえるのだとしたら、四つ目の理由も検討しなければならない。
四つ目、それは外部からの救助だ。ありえないと思っていた外部からの救助と考えれば別々の場所からログインしたはずの三人がほぼ同時にSAOから居なくなるということにも一番納得がいく。
しかし、これには証拠が足りない。この場には、《はじまり街》の外には俺たちしかいなかった。そして今は周りを見ても俺しかいない。
この理由の正当性を確かめるには、一旦街に戻って確かめた方がいいだろうか。
だが、もしも三人が戻ってくるとしたら、猶予時間である二時間以内には戻ってくるということになる。
そうした場合を考えると、俺はこの場に――
「――!」
突如、世界は暗転する。
――これ、は……。
俺を取り巻く世界が、俺だけを残して暗闇に染まったかのような……。
周りの情景や足場がガラスのように砕け散り、無重力の暗黒にいきなり放り出されたかのような……。
――これが……《死》、なのか……。
解らない。
死ぬなんてことを経験したことはないのだから解る訳がない。
しかし、これは先ほど考えた外部からの救助ではないのだとは思う。
体が闇色に染まり、手や足が動いているのかも解らないこの状態が救いなのだとは到底思えない。
――ならばやはり、これは回線切断状態なのか?
――今、俺の体は二木の家から移設されている最中ということなのか?
――だとしたら、何故このタイミングで?
――双子のルネリーとレイアだけならまだしも、別々の場所からログインしている俺やチマまでほぼ同時にこうなった訳は?
ここでは何も解らない。何も出来ない。
混乱する俺の頭に、更に師匠のあの言葉が再び響く。
――まず、己の目で、耳で、肌で、全てで感じたものを、そのままに心に受け入れるのだ。
――そして、それに対して自分に何が出来るのか、それを考える。そう、考えることが大事なのだ。思考を止めてはいかん。
待ってくれ師匠。ここでは俺は何も出来ない。何もすることは出来ないんだ!
何も出来ないということを受け入れればいいというのか?
しかし、それでは思考する意味が無くなる。思考した結論を実行して結果を出すということが、この教えの目的ではないのか?
解らない。何も解らない。
これが本当に介護施設までの移送のための回線切断だということも解らない。
あの三人が本当に今の俺と同じ状態だということも、解らない。
『コノママ、俺ハ死ヌノカモシレナイ』
俺の思考が、そんな結論を生み出す。
何故なら俺は何も出来ないから。何故なら俺は何にも抗えないから。何故なら俺は何をも残せないから。
下向きな考えし
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