暁 〜小説投稿サイト〜
SAO 〜冷厳なる槍使い〜
SAO編
序章  はじまりの街にて
10.本当のGAME START
[2/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ようにしゃがみ込んで彼女の瞳を覗き込んだ。

「あ、ああっ……キ、キリュウ……さん? ……美緒が、美緒がぁ!!」

 ルネリーは俺をその瞳に映すと、俺の胸の服を力いっぱい掴んできて、訴えるように声を上げた。
 俺はそんなルネリーの肩に置いた手に少しだけ力を籠め、出来るだけ冷静に声をかける。

「……ルネリー、よく考えろ。この仮想世界でアバターが消える理由は一つだけではない」

 そうだ、この世界で仮想体(アバター)がいきなり消える理由は恐らく四つ。
 一つはHPがゼロになった場合。しかし、これは今消えた二人には当てはまらない。そもそもイノシシとの戦いでは三人ともほとんどHPは減らさずに勝てていた。そして、見ていた限り攻撃された形跡も無かった。故にこれは除外できる。

 二つ目は親族が《ナーヴギア》を外してしまった場合。この可能性も無くはないわけでもないが、昨日から一日経ったこの中途半端な時間にそんなことをする人間がいるとも思えない。故にこれは保留とする。

 三つ目は、これが一番理由としては可能性が高い。昨日、茅場が言っていた二時間の回線切断猶予を使っての病院などへの移設だ。だが、これなのだとすると一つ疑問が出てきてしまう。そして、その疑問を突き詰めていくと、これからまた《あること》が起きるという予想ができる。

「き、キリュウさ――」
「ルネ……ルネリー!!」

 突如、俺の腕の中でルネリーが凍りつき、瞳の光が消える。
 そして、先の二人と同じように薄れるように消えていった。

「ぐ……ぅ」

 ぐつぐつと何かがこみ上げてくるのを感じる。
 呼吸が異常に速くなる。
 待て、落ち着け。落ち着くんだ。まず、俺が落ち着かなくてはいけない。

「ハァッ、ハァッ、ハァッ、ハッ…………ハァァァ……」

 深呼吸、良し。

 ――落ち着いたか?
 ――少しは……。

 自問自答を行い、少しずつ気持ちを落ち着けさせる。
 一応、この可能性は考えていたはずだ。
 今の一連の出来事が三つ目の理由だとして、レイアが消えたらルネリーも消える。それは予想出来ていたことだ。
 二人は双子だと言っていた。だとしたら家も、ログインした場所もほぼ同じと考えていいだろう。
 その予想が正しければ、二人が一緒に移設されると考えれば、ほぼ同時に消えたことには納得がいく。

 ――ならば、チマはどうなんだ? 三人が友人とは言っていたが、チマが俺みたいに友達のルネリーたちの家でログインしている可能性は?

 解らない。だが、普通に考えれば自分の家からのログインではないのだろうか。
 でもだとしたら三人がほぼ同時に消えたのは何故だ?
 三人が消えた間隔は五分と無かった。こんなことがありえるのか?
 もし、あ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ