第三章 始祖の祈祷書
第三話 溢れゆくもの
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った。
ルイズと士郎の身長差は約三十センチ以上、だからルイズが士郎の服を着ると、かなりブカブカになる。そのため、ルイズが今着ている士郎の服は、ワイシャツの様な服であったが、ルイズはそれを着ているというよりも、袖も丈もぶかぶかなので、まるでシーツを被っているような状態であった。
「洗濯物ならもう洗ったわよ……」
「いや、それならいいんだが……何で俺の服を着ているんだ?」
士郎がそう言うと、ルイズは服をまるで抱きしめるかのように両腕を組み、頬を染めながら俯いて小さく何事か呟いた。
「だって……こうしていると、シロウに抱きしめられているような気がするんだもん……」
「ルイズ? どうかしたか?」
そんなに顔を赤くして、まさか風邪か?
真っ赤な顔をしたルイズに心配になった士郎は、熱を計ろうとルイズに近寄っていった。
ルイズがボーッとした表情で士郎を見つめる中、士郎はボーッとした状態のルイズの肩を掴み、顔を近づけていった。
ルイズは顔をますます赤くすると、そっと目を閉じて顎をついっと上げた。
ふむ、ほんとどうしたんだルイズは?
「熱はないようだな」
士郎はそう言ってくっつけていた額を離そうとしたが、ルイズがぶかぶかの袖ごしに士郎の腕を掴んできた。
「ルイズ?」
「このまま……」
戸惑う士郎の目の前で、ルイズがそっと目を開けると、上目遣いで士郎を見つめてきた。
「……一緒に……寝よ……」
「お、おい?」
ルイズはそう言うと、ゆっくりと体をベッドの上に倒していく。
ルイズの色香を感じさせるような態度に戸惑う士郎は、それに逆らえることが出来ず、そのままルイズを押し倒すような格好でベッドの上に倒れた。
「あっ……シロウのにおい……これ……すき……んっ……しょ……」
「ちょ、ど、どうした……?」
士郎に押し倒された様な状態になったルイズは、士郎の下でもぞもぞと動いてさらに士郎にくっついた。そんなルイズの様子に戸惑う士郎を尻目に、満足いく場所を見つけたのか、ルイズは士郎にぴったりとくっついた状態で目を閉じた。
「おやすみ、シロウ……」
「お、おいルイズ? 本当にどうしたんだ?」
ルイズは士郎の言葉に答えず、そのまま士郎にくっついた状態で指を鳴らすと、部屋の明かりが消えていった。
「ほんと……なんでさ……」
士郎の戸惑う声が、早くも聞こえてきたルイズの寝息に重なる。
風呂から始まった怒涛の如く積み重なった心労に、自然と士郎の瞼も落ちていった。
シエスタもルイズも……ほんと…………なん……でさ……………
その頃、キュルケはタバサの部屋にいた。
いつもどおり
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