第三章 始祖の祈祷書
第三話 溢れゆくもの
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ないと」
「し、シエス、タ?」
熱に浮かされたような態度で蕩けた目を士郎に向けながらそう囁くシエスタは、戸惑う士郎を尻目に、まるで焦らすかのようにゆっくりとメイド服を脱いでいく。
「んっ……あっ、べたべた、する。あっ……」
ズルっ……ベシャッ……ぴちゃ……
「っあん……つめ、たい……」
ぽとっ…ぴしゃっ……
「うん……しょっ……と……はぁ、ぅあ」
―――ゴクッ―――
いちいち艶かしい態度で服を脱ぐシエスタ。もちろん最初は止めようとした士郎だが、止めようと声や手を出そうとした瞬間、まるでタイミングを図ったかのように、シエスタはその蕩けきった目を士郎に向けるのだった。その目を見た士郎は、まるで蛇に睨まれたカエルのように固まってしまい、結局最後までシエスタを止めることは出来なかった。
シエスタはメイド服を全て脱ぎ捨てると、その白く滑らかな肌を星明かりと薪が燃える明かりに照らし出す。シエスタは露になった胸を両腕で隠すようにするが、シエスタの細い腕から白く柔らかな乳肉が溢れている。着痩せするタイプなのか、士郎の大きな手でも掴みきれず溢れてしまうと思われる胸が両腕から溢れているにも関わらず、シエスタは大胆にも体を士郎に向けた。
「ああ……本当に気持ちがいいですね。ねぇシロウさん」
「っ! あ、ああ、うん……そう、だな……」
豹変といってもいいぐらいのシエスタの様子の変化に、士郎は何か覚えがあるような気がしたことから、思わずシエスタをマジマジと見てしまう。
士郎の視線に気が付いたシエスタは、その白い肌を熟した桃の様に淡く桃色に染め上げると、そっと顔を横に逸した。
いやいやっ! そこは顔じゃなくて体を隠すだろっ! ……ん? そう言えば昔、これと同じようなことを考えたことがあるような?
士郎がシエスタの態度に内心で突っ込みを入れていると、昔、同じようなツッコミを入れたことを思い出した。
ああ、シエスタは彼女に似ているのか……ふむ、そう考えると、所々似ているところがあるな。
士郎がその昔、色々とお世話になったことがある日本人の女性、その女性にシエスタはよく似ているのだった。
そのことを思い出した士郎は、思わずジロジロとシエスタのことを見つめた。
艷やかな黒髪、白い肌……大きな黒い瞳……派手さはないが、野に咲く可憐な花のような魅力……やっぱり似ている。でもまあ、似ている人間がいてもおかしくないだろう、それがたとえ異世界だったとしても。
士郎が顎に手を当てながら、まるで品定めをするかのようにシエスタを眺めていると、さすがに我慢の限界を迎えたのか、シエスタが蚊の鳴くような小さな声で訴えてきた。
「あ、あのシロウさん…
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