第26話「麻帆良祭〜贈る言葉〜@」
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る。
そんな中、一人厳しい顔をしている人間がいた。
大和猛、年齢的には高校生だが、実は麻帆良女子中等部の副担任として勤めている教師。
本日の予定は一日中パトロール。
パトロールと言っても単なる警備ではない。それこそ青少年の麗らかな想いを守るための大事な大事なパトロールなのだ。
時刻はまだまだ午前の部。しかもまだまだ学園祭初日。
厳しい顔をしていたのは他でもない、余裕がなかったからだ。
まだまだ出番は少ないであろうとタカをくくっていた彼だったが、珍しくもその予想を外し慌てふためいていた。
ピピピ
告白しかけている生徒の位置を示してくれる、いうなれば告白生徒探知機が電子音を鳴らして其れを教えてくれる。
「あそこか」
距離は約20M。男子生徒が女子生徒に告白しようとしている。
「ふっ」
一息に彼の元へと跳ねた。
普段のタケルなら人前では出来るだけ見せようとしないスーツの能力だが、今日は学園祭ということもがあるのだろうか。誰もが何かの催し物だと勘違いして笑うだけで、不思議がる様子もない。
「キミのことが……!」
告白しようとしている生徒の脇に手をいれ「……へ?」男子生徒が間抜けな声を出した。告白が一度中断され、そして――
「――……っせい!!」
掴んで上空にぶん投げる。
「ってうわわ〜〜〜〜」
悲鳴を上げる男子生徒に次いで、今度は女性徒もぶん投げる。
「っきゃああああ〜〜〜」
「位置、角度……よし」
完全に狙い通りだったらしく、その表情には自信が見て取れる。
二人の生徒が投げられた先にはいくつものマットやら弾力吸収剤などが敷き詰められ、例え頭から落ちても傷一つ負わないように配慮されている。
そこは世界樹の効果が及ばない場所なので、いくら告白行為があっても問題はない、というわけだ。
「……疲れる」
――Xガンの威力を最小限にして彼等の頭をうったほうが早い気もするが。
少し愚痴っぽい考えをこぼし、すぐさまそれを振り払うかのように首を振る。
そうやって気絶させた場合、打ち所が悪ければ死んでしまったりする可能性もある。タケルにしては珍しく常識的な空気を読んだ結果だった。
「……ふぅ」
だが、彼がフと息を落とした瞬間だった。ありえないものがその目に映った。
宮崎のどか達と一緒にいるネギ。普段どおりのスーツ姿に身を包んでいる。どう見てもこれは大した問題ではない。ネギはさすがに人気人間なだけあって、学祭期間中にたくさんの約束を取り付けていた。
タケルはこの風景も、その一種と考えたし、それに関してはたいしたことではない。大問題はその後ろ、彼らの
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